今週末29日(金)にアメリカで公開になる、ヴィン・ディーゼル主演の近未来アクション映画「バビロンA.D.」の監督で、俳優としても知られるマチュー・カソヴィッツ(写真右)が、AMCTV.com のインタビューに応じ、同映画を製作・配給する20世紀FOXを痛烈に批判し、自作の映画のデキを、とにかくひどいッ!!と、あたかも観客に向かって、絶対に観ないようにと警告するかのような発言を行ないました。この「バビロンA.D.」については、今年5月にココでも軽くふれましたが、本来は2時間40分あるはずの映画を、「20世紀FOXが1時間以上もカットし、映画がメチャクチャで意味がわからなくなった」といった言葉を、マチュー・カソヴィッツ監督が映画ジャーナリストに漏らし、それが大きな問題になりましたが、マチュー・カソヴィッツ監督自身がその後、それはジョークで、映画に注目してもらうための狂言と明かし、「バビロンA.D.」の製作には、何も支障はないので心配しないで!!と否定コメントを出しました。しかし、公開を目前に控えて、マチュー・カソヴィッツ監督が毒を吐いたところによると、どうやら、それはジョークの狂言と20世紀FOXに強要され、言わされたもので、実際は違っていたのかもしれません。AMCTV.com のインタビューで、マチュー・カソヴィッツ監督は、「20世紀FOXは、ワンシーンたりとも、脚本通りには、私にこの映画を撮らせず、脚本は完全に無視された。最悪のプロデューサーに、最悪の映画会社。本当に最低の仕事だった」と述べており、「20世紀FOXは、この映画を『24』のデキの悪い1話のようにしてしまった」と、この映画は観るに値しないと完全否定しています。マチュー・カソヴィッツ監督によれば、「バビロンA.D.」には、「子どもたちをキチンと育て、教育することが、この惑星の未来へとつながる」といった高尚なテーマがあったにも関わらず、それを理解できない20世紀FOXは、観客層を増やす狙いで、レイティングをPG-13に引き下げるため、約1時間48分あった本作を、93分に短縮してしまい、その結果、本当に単純で、くだらないアクション映画にしてしまったとのことです。また、主演のヴィン・ディーゼルも、「ところで、俺は映画に出てくるの?!、それとも出番は全部、カットされちゃった?!」などと、編集室でイヤミのジョークを述べ、20世紀FOXのアホさ加減に呆れ果てていたことや、撮影スタート当初に、天候に恵まれず、スケジュールが押し、製作費も超過したことから、懸念した20世紀FOXが、映画のことなど何もわからない弁護士を現場の監視役に配し、彼らが撮影に細かく口出しをしたことで、存分な撮影も出来なかったことなど、舞台裏の悲惨な混乱を明かしています。ハリウッドでの仕事はもうコリゴリといった、フランス人のマチュー・カソヴィッツ監督ですが、次回は「映画」を作る気のあるスタジオを選ぶと結んでいます。それにしても、映画の公開直前に、作った張本人の監督が、このように映画会社への不満をブチまけ、くだらない映画は観る価値なしと、映画ファンに時間とお金の節約を呼びかけるのは異例だと思いますが、どうしても「バビロンA.D.」を自分の作品とは認めたくなかったんでしょうね…。マチュー・カソヴィッツ監督は、20世紀FOXが要求したテレビ出演などのプロモーション活動も、もちろん一切、拒否したそうです。さて、「バビロンA.D.」が日本公開されたら、ご覧になります?!、それとも、マチュー・カソヴィッツ監督の警告に従い、鑑賞リストから外しますか?!、ヴィン・ディーゼルのファンの方は苦渋の決断を迫られそうですね。