何だか、まだるっこしい見出しをつけてしまいましたが、映画ファンに律儀なギレルモ・デル・トロ監督が、現在、製作準備中の「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのプリクエール(前日譚)の超大作「ホビット」2部作(製作費は2本で500億円らしい)の進捗状況として、脚本の執筆がついに始まったことを、またまた大手の映画メディアを出し抜き、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのファン・サイト TheOneRing.net に、真っ先に報告しました!!、で、その栄えある「ホビット」の脚本を執筆しているのは、なんとギレルモ・デル・トロ監督自身!!、と言うか、ずっと脚本家探しをしていたギレルモ・デル・トロ監督と、製作総指揮のピーター・ジャクソンは、ふさわしい脚本家を探しあぐねた挙げ句、一番の適任者は自分たちではないか?!という、灯台元暗しの結論に達したとのことです。そして最終的に、そんな2人に加え、「ロード・オブ・ザ・リング」のトリロジー全作の脚本を執筆した、ピーター・ジャクソンの奥さん、フラン・ウォルシュと、フィリパ・ボウエンにも参加してもらい、何だ?!、ギレルモ・デル・トロ監督を除けば、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのオリジナルの脚本家チームの再結集か?!という面子になってしまったとのこと。確かに変わりばえしない顔ぶれですが、何と言っても、「ロード・オブ・ザ・リング」の世界を知り尽くしてるメンバーなので、ファンにとっても、これでさらに安心して「ホビット」に期待できるのではないでしょうか?!、その「ホビット」の撮影は、2009年後半からスタートの予定なので、今から執筆すれば、脚本におよそ1年間かけられる感じもしますが、脚本が出来ない限り、撮影準備にも取りかかれないので、実際には、それほどゆっくりはしていられません。また、撮影は2部作を前後して、一気に撮る予定なので、映画2本分の脚本を1年足らずの間に書き上げるとなると、むしろ時間は足りないとも言えます。しかし、それも、この優秀な4人のチームであれば、問題なく仕上げられるでしょうし、プロデューサーと監督が同席して、一緒に脚本を書くのですから、実際の撮影に関わる具体的な取り決めも、同時に決定されていき、その分、時間が節約されそうな感じもあります。「ホビット」の公開は第1弾が2011年、第2弾が2012年とかなり先ですが、“ファンと共に歩む”が信条のギレルモ・デル・トロ監督なので、こちらが待ちくたびれないように、また随時、情報を提供してくれることと思います。ギレルモ・デル・トロ監督の最新作「ヘルボーイ2:ゴールデンアーミー」(今秋公開)は、アメリカでの公開で、後半ほとんど、バットマン最新作「ダークナイト」(公開中)に喰われてしまい、期待されたようなヒットになりませんでしたが、「ロード・オブ・ザ・リング」のプリクエール「ホビット」なら、「ダークナイト」を凌ぐポテンシャルを秘めた作品になれるはずなので、ぜひ一発、リベンジを目指してほしいと思います。また、ギレルモ・デル・トロ監督から、何かアナウンスがあれば、お知らせするので、お楽しみに!!
日別アーカイブ: 8月 20, 2008
新作「ワイルドスピード4」で主演復帰のヴィン・ディーゼルが、シリーズのプリクエールを自ら監督!!
最新作の近未来アクション映画「バビロンA.D.」の今月29日のアメリカ公開を間近に控えたヴィン・ディーゼルが、製作中の「ワイルドスピード4」について語り、シリーズのプリクエール(前日譚)となる20分間の短編映画を、自らがメガホンをとり、監督したことを明かしました。このプリクエールの内容や、公開の形態などについては、まだ明らかにされていませんが、いずれDVDの特典映像に加えられることは、まず間違いないでしょうし、同映画の2009年6月5日全米公開の前に、プリクエールをネットでリリースし、話題を盛り上げようと宣伝に使うつもりなのかもしれません。ヴィン・ディーゼルは、前にココなどでも記したように、インディーズ映画を作っていて、スピルバーグに見出された監督志望の人で、「オレはホントは筋肉バカのアクション・スターじゃないんだ!!」というジレンマから、「トリプルX」(2002年)のシリーズを途中で投げ出したり(復活の可能性あり)、本シリーズも前作に主演しないなど、俳優としてのキャリアもつまずいていたのですが、一歩ずつ着実にキャリアを積み上げていく方針に転換したようです。また、ヴィン・ディーゼルは、前にココで紹介したUSAトゥデイのインタビューで、「ワイルドスピード4」について、「キャラクターをキチンと描くことが、アクション映画でも大事」と述べていたので、演じてる自分が誰よりも主人公の人生を理解してるという自負から、プリクエールを自分で監督したのかもしれません。「ワイルドスピード4」の本来の監督は、前作「ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT」(2006年)に引き続き、台湾出身のジャスティン・リン監督ですが、ヴィン・ディーゼル監督のプリクエールの方がカッコよかったら、本職の監督として恥かしいのでガンバらないといけませんね。しかし、ヴィン・ディーゼルは次回作として、主演だけでなく、監督もつとめる歴史アクション「ハンニバル・コンカー」(Hannibal the Conqueror)を発表していますが、なかなか実際の製作には及んでいないようです。なので、このプリクエールで、監督としての手腕を披露する必要性もあったのかも?!、とにかく、どのような内容か?!、楽しみですが、ヴィン・ディーゼルの主人公ドミニクの妹ミアを演じた、セクシーなジョーダナ・ブリュースターも出てくるとウレシイですッ!!
「ターミネーター4 / サルべーション」の原作はコーマック・マッカーシーのアポカリプス文学「ザ・ロード」?!
シリーズ最新作「ターミネーター4/サルべーション」を撮影中の監督マックGが、MTVの取材に答え、新しい「ターミネーター」の世界観を理解してもらい、みんながイメージを共有できるようにと、キャスト全員に、作家コーマック・マッカーシーが終末世界を描いて、ピューリッツァー賞を受賞した傑作文学「ザ・ロード」を配布したことを語りました。コーエン兄弟のアカデミー賞4部門受賞作「ノーカントリー」(2007年)の原作者としても知られるコーマック・マッカーシーの「ザ・ロード」は、ココでヴィゴ・モーテンセン主演でスゴイ映画(↑写真)が完成しつつあるとお伝えした通り(11月全米公開)。マックGは、この「ザ・ロード」の、核の冬に覆われ荒廃した世界で、神の救いを求めるように旅する父子の真摯なサバイバルの物語に、人々が分断され孤立した終末世界のリアルな恐怖を見い出し、それを「ターミネーター4」に取り込みたいと考えたそうです。マックGは、シリーズの第1作と第2作では、終末世界の圧迫するような恐怖が真剣に受け止められ、“審判の日”を食い止めることの切実さがキチンと描かれたが、「ターミネーター3」(2003年)では、その肝心な映画の前提となる設定が軽く扱われた感があるので、映画の流れを今一度、本来の終末世界の恐怖へのトラウマへと引き戻したいようです。とは言え、果たして、別に映画化されてる原作を、「ターミネーター4」の原典として引き合いに出すのが適切か?!は少し疑問ですが、マックGとしては、自分に染み付いた「チャーリーズ・エンジェル」シリーズ、「The O.C」などの過去の作品のチャラチャラしたイメージが、「ターミネーター4」にマイナスに作用することをかなり懸念してるんでしょうね、そのためコーマック・マッカーシーの重厚でダークな文学を参考にしてることを伝えたかったのでは?!、何せココで、「映画監督なのに、ラッパーみたいな軽い名前ですみません」なんて、謝ってたぐらいですからね(本名はジョセフ・マクギンティ・ニコル。マクギンティを縮めてマックG)。ま、「ザ・ロード」のシリアス感が「ターミネーター4」に盛り込まれるのは、大歓迎じゃないでしょうかッ!!、この「ターミネーター4/サルべーション」は、2009年6月日本公開です。
少女の命を奪った?呪われたホラー映画「ポルターガイスト」のリメイクがスタート!!
チェアパーソンのマリー・バレント女史の、リメイクで無難に儲けたい方針から、すでにダーレン・アロノフスキー監督による「ロボコップ」のリメイク(厳密にはリメイクではなく、続編で、その後の話が描かれる)をスタートしているMGMが、同社が権利を持つ、1982年製作の人気ホラー映画「ポルターガイスト」のリメイクもスタートし、脚本を「ブギーマン」(2005年)のコンビ、ジュリエット・スノードンとスタイルズ・ホワイトに依頼したことを明かしました。「ポルターガイスト」は、ご存知のように、スティーヴン・スピルバーグ監督が自らのオリジナル・ストーリーをプロデューサーとして映画化したもので、墓地だった土地に建てた家に住んだせいで、一家の幼い娘が悪霊にとり憑かれるというお話です。この「ポルターガイスト」は、当時、スピルバーグが自分で監督したかったのですが、同時に監督していた「E.T.」(1982年)をほぼ完成させながらも仕上げきっていなかった為、映画監督組合で定められた規約“同時に2本の映画を監督してはいけない”に縛られ、監督として現場に入ることができませんでした。そこでスピルバーグは、「悪魔のいけにえ」(1974年/「テキサス・チェーンソー」のオリジナル)でカルト人気を誇っていたホラー映画監督トビー・フーパーを雇い入れ、スピルバーグ自身は立場をプロデューサーとしながらも、子どもの演出が要となる前半の家族の物語の部分は、ほとんど自分で監督し、後半のホラー描写の演出だけをトビー・フーパーに任せたという、規約破りが問題視された逸話が残っている作品です。このスピルバーグが映画監督組合から除名されかけた問題について、当時のインタビューで、「監督として現場にいながら、単にお飾りで、別の者が演出してるのは苦痛ではなかったか?!」などと聞かれたトビー・フーパー監督は、「低予算ホラー映画の世界では、あり得ないギャラの監督料をもらったからね。自分の映画はその金で作るよ」と、共犯者だけに遠まわしながら、サバサバと答えていますが、自分の任された後半のホラー場面を強烈にエスカレートさせて描いたのは、あえて前半のスピルバーグの演出との間に落差をつけることで、無言の抵抗を示したものだと評されています。リメイクでは、そんな特殊な事情が絡むはずもないことから、映画の内容を二転三転させず、整合性を持たせると思いますが、テレビから悪霊が出てくるというアイディアは、「リング」シリーズでも再利用され、使い古されているので、どのように現代的にアダプテーションするのか?!が楽しみですね。脚本を任されたジュリエット・スノードンとスタイルズ・ホワイトは、マイケル・ベイ監督のホラー映画再生業者みたいなプロダクション、プラチナム・デューンズから、ヒッチコック監督の名作「鳥」(1963年)のリメイク版の脚本も依頼され、執筆中であるのに加え、ココで紹介したニコラス・ケイジの大予言スリラー「ノウイング」もコンビの脚本です。ただし、この「ノウイング」は、先月末のサンディエゴ・コミック・コンで予告編と映画の一部を上映した際、失笑が沸き起こり、スリラーとして、まともに受け取ってもらえませんでした。恐らくは、ニコラス・ケイジが広いおでこに汗して、必死の形相の芝居が、もはやセルフ・パロディにしか観えないからかな?!と思うのですが、「ノウイング」のスタッフは、2009年3月のアメリカ公開に向け、内容の見直しに追われているはずです。最後に、「ポルターガイスト」と言えば、シリーズ3作品で主人公の少女キャロル・アンを演じた子役のヘザー・オルーク(↑写真)が、わずか12歳で夭折してしまうなど、他にも出演者が亡くなり、呪われた映画と囁かれていますが、リメイクではそういったことがないように願います…。