「トワイライト/ニュームーン」の全米大ヒットに浮かれてはならない?!、映画秘宝ムック「殺人大パニック!!」掲載の“全米が戦慄した!!、自称吸血鬼少年少女による実父殺人事件”の原稿!!(Part-Ⅱ)

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トワイライト/ニュームーン」の全米大ヒットに浮かれてはならない?!、映画秘宝ムック「殺人大パニック!!」掲載の“全米が戦慄した!!自称吸血鬼少年少女による実父殺人事件”の原稿!!(Part-Ⅰ)の続きです…!!
19歳の少年アレックが15歳の少女ダニエルに頼まれ、彼女の実の父親を殺した真の理由とは…?! → 


ダニエル・ブラック-1女子高生のダニエル(←写真)が父ビリーを亡き者にしたいと思った動機は曖昧で現在も判然としていないが、彼女は成績こそ優秀だったものの、学校をしょっちゅうサボっては無断欠席し、ショッピング・モールで万引きをくり返すなどしていた。事件が起きる少し前にダニエルはその非行が家族にバレてしまい、父親のビリーは娘の素行を今後は自分が厳 しく監視すると宣言していた。そのためビリーは娘が通学するのを見届けるため、自分の生活時間をダニエルに合わせる努力までしていたが、事件の当日は仕事で早朝に出かけなければならず、アレックの犯行は人目につきにくいそのタイミングを狙って、ダニエルが事前に手引きをしたものだった。
父親に見張られて鬱陶しいと思う15歳の女の子の気持ちはわからなくもないが、アレックもそれだけでビリーを殺そうと思った訳ではない。アレックはダニエルから、全然、別の話を聞かされていた。ダニエルは自分は何年間も父親から肉体的な虐待を受け続けていて、これ以上は耐えられない…助けてほしい…と、アレックにすがり、泣きついていたのだった。
そして、冒頭の事件の朝、アレックはナイフをちらつかせ、ビリーに娘への虐待をやめるように迫ったが、何の話かわからないとビリーが反発し、ふたりがもみあった結果、勢いあまり、アレックはビリーを殺してしまった…というのが事の真相だ。
虐待が事実あったのか?については、ブラック家の近所に暮らし、ダニエルを4歳の時から知っているメリー・シネクトが、「11年間もあの家族を見てきてるのに、そんな虐待があって私が気づかない訳がない」と述べ、反対に父ビリーが娘のヴァンパイア・カルトに悩んでいたことを裏付ける証言をした。すべてはダニエルの空想の作り話だった。
そうとは知らず、ダニエルの話を信じ込んでいたアレックはビリーを殺害して後悔するどころか、自分のマイスペースのプロフィールに“妻や子どもを虐待する者、強姦魔などには、弱い者に代わって誰かが報いの“リベンジ”を与えなければならない…”などと有頂天に書き込み、ハンドル・ネームを“911r3ap3r911”と名乗った。“911”は日本の110番に相当する緊急ダイヤルの番号で、“r3ap3r”は“死神”のことだが、ここでは“処刑人”と解釈した方がよさそうだ。つまり、アレックは自分は天や、警察に代わって弱いものを助ける駆け込み寺の“必殺仕事人”だと称している訳であり、これでは遠まわしに犯行を自供し、自慢してしまっている。
この頼まれれば進んで“仕事”をやるというアレックの意思表示は逮捕後、彼の公選弁護人ジェリー・ジョイスが削除し、事件の情報提供を呼びかけるメッセージに更新したが、その文面はあたかもアレックが首謀者ダニエルに操られ騙された被害者であるかのような印象を与えている。
ダニエル・ブラック-2そのダニエルは父の死後、マイスペースに追悼文を載せたが、添えられた写真は喪に服したつもりか?、黒い下着姿でポーズを取った、俗に言う自画撮りのエロ写メ(写真→)で、悲しそうな素振りは皆目、見られない…。
また、父ビリーの死について綴ったと思われる自作の詩の中でダニエルは“あなたの時は終わりを告げたが、私は傷つかず、 笑顔を取り戻した…”などとも書きしたためている。
何だか吸血鬼よりも少女の方が恐ろしい存在に思えてきたが、似たような、さらに血も凍る事件として、2006年4月にはカナダのアルバータ州で12歳のヴァンパイア・フリークの少女が、ゴスのコミュニティ・サイト、ヴァンパイア・フリークスで知り合った、自分は300年間も人の血を吸って生きている狼男だという23歳の青年ケイシー・ランカスターと共謀し、8歳の弟を含む少女の家族3人を皆殺しにした猟奇的な“リチャードソン一家殺害事件”が発生している。
ふたりが殺した家族の血を飲んだか?は報告されていないが、12歳のリチャードソン家の長女はカナダ犯罪史上、最も低年齢で複数の人間を殺した殺人鬼として、現地カナダの少年犯罪に対する最も重い罰である10年間の刑期を言い渡され、そのうちの4年間を精神病院で心の治療にあてるよう命じられた。
この狼男と吸血鬼少女のカップルは逮捕後、結婚を誓いあった…。
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そんな男たちが少女に愚かにも振り回される事件がある一方、10代のゴス娘ばかりを誘い出しては手玉にとり、淫らな行為を働いていたエリック・フィッシャーという男が、ニューヨークで同じく2006年4月に逮捕された。エリックもゴスのメッカのサイト、ヴァンパイア・フリークスを利用し、そこで少女をピックアップしては 言葉巧みなメールで誘い出し、彼女らを何人も犯していた。逮捕のきっかけは13歳の少女のふりをした警察による「お墓でデートしよう!!」という囮メールにまんまと騙されたことだった。エリックとメールを交わした“13歳の少女”ならぬマーク・グリフィス警視は、「ゴス・マニアやヴァンパイア・フリークたちは孤独で、メンタル的に崖っぷちに立っている者が多い…」と、ゴスのサブカル周辺を捜査した印象を語り、少女たちの心が揺れ動き、いかに危ういものかを警告した。
キムビア・ギル思えば、少女ではないが、2006年9月にカナダ・モントリオールのドーソン・カレッジで起きた銃乱射事件の犯人キムビア・ギル(写真→)もヴァンパイア・フリークだった。25歳の青年キムビアは1人を射殺して、19人に重軽傷を負わせた末、自ら命を絶ったが、吸血鬼かぶれの彼もまた前述のサイト、ヴァンパイア・フリークスで、自らを“死の天使”と名乗り、犯行を予告していた…。
日本にもゴシック・マニアは大勢いるが、欧米のようなヴァンパイア・フリークは少ないだろう。しかし、人気のヴァンパイア映画「トワイライト」が、日本で“初恋”という副題で恋愛映画として美化されてるように、欧米ではヴァンパイアや吸血行為をロマンチックなものとして描いた小説や映画、ドラマなどが、これまで紹介の事件に与えてきた影響が取り沙汰されている。吸血鬼の恋愛映画の甘い毒牙でヴァンパイアの虜となる少女が今後、日本でも増えないとはかぎらない。
吸血鬼に噛みつかれると、自分も同じ吸血鬼になってしまう。それと少し似て、現代の吸血鬼とは伝染する心の病いであるかのようだ。吸血鬼になることはすなわち、モンスターになることであるのを忘れてはならない。
父親殺しを実行した15歳のヴァンパイア少女ダニエルに少年法は適用されず、彼女は成人として刑に服することになった。
(2009年4月発行 / 洋泉社MOOK 別冊映画秘宝「マーダー・ウォッチャー 殺人大パニック!!」掲載)
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