映画秘宝 連載「タランティーノ《地獄のバスターズ》への道」‐第8回‐

イングロリアス・バスターズ-ブラッド・ピット-1
第8回 カンヌ映画祭参戦決定!!兵隊やくざ総決起でタランティーノは2度めの大賞獲りに虎視眈々!!ではなくてアイドルに熱視線?!
     映画秘宝2009年7月号掲載(2009年5月21日発行) → 


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5月13日から24日まで行われる第62回カンヌ国際映画祭での「イングロリアス・バスターズ」上映が決定しました!!、昨2008年の同映画祭で、1年後に「イングロリアス・バスターズ」を携え凱旋する!!というタランティーノの大胆無謀な宣言の公約は見事に果たされた訳ですが、「イングロリアス・バスターズ」は単にプレミア上映ではなく、コンペティションへの参加も承認されました!!
1994年に「パルプ・フィクション」でカンヌの大賞パルムドールを受賞して以来、2度めの栄冠奪取にタランティーノは挑みます。
カンヌ国際映画祭はタランティーノが審査委員長をつとめた2004年の大賞が、いかにもタランティーノ好みの韓国映画「オールドボーイ」だったように、賞の選考に委員長の志向が強く反映される傾向があります。
では、今年の審査委員長はと言うと、フランスの女優イザベル・ユペールです。
彼女がどんな映画が好みか?は本人しかわかりませんが、「イングロリアス・バスターズ」と同じく第二次大戦下を舞台にした「女ともだち」や「主婦マリーがしたこと」で、戦時を生き抜く女の様を演じた彼女だけに、ナチに惨殺された家族の復讐に立ち上がる「イングロリアス・バスターズ」のヒロイン、ショーザンナ(↓)や、ヒトラー暗殺のためスパイ志願する女優といった「イングロリアス・バスターズ」の女たちに共感してくれる可能性はなくもないでしょう。
イングロリアス・バスターズ-メラニー・ロラン-1
ところで、「パルプ・フィクション」がカンヌ大賞で話題になった時、「イングロリアス・バスターズ」の兵隊やくざアンディ役に抜擢されたポール・ラストは13歳で、暴力的な映画の悪影響を心配した親に「パルプ・フィクション」を観せてもらえなかったそうです。でも、どうしても「パルプ・フィクション」が観たいとせがんでいたら、ビデオが出るとお母さんが買って来てくれて、お母さんは自分でまず内容を確認し、中学生のポールに不適切と思う箇所をチェックすると、2台のビデオデッキを使って、それらを継ぎ目がわからないよう上手にカットして再編集し、オリジナルの子ども向け「パルプ・フィクション」を作ってしまったそうです!!
ポール・ラストがタランティーノにこの話をすると、映画作りのカンのあるポールのお母さんにタランティーノは大ウケし、感激だったそうです。
「イングロリアス・バスターズ」の大賞獲りに向け、いざとなればポールのお母さんの手を借りるのもありかもしれません?!
さて、そんな賞狙いの思惑もある「イングロリアス・バスターズ」仕上げのため引きこもっていたタランティーノですが、久しぶりに公けの場に姿を現し、人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」にゲスト出演しました。
タランティーノは、番組が歌手デビュー希望の挑戦者に与えたテーマ「映画主題歌を歌う」に沿って、挑戦者各自が選んだ映画主題歌をリハーサルで歌うのをチェックして演出してあげる、言わば本職に近い役割での登場でした。当然、新作「イングロリアス・バスターズ」宣伝も兼ねてのテレビ出演かと思いきや、自分の映画の話題は一切なしで真剣に未来のアイドルに助言を与えていました。
「イングロリアス・バスターズ」に出演し、一部監督もつとめたイーライ・ロスは、5年前にも同番組に出演したタランティーノは「アメリカン・アイドル」オタクで毎回欠かさず観てるだけでなく、「イングロリアス・バスターズ」撮影中に、やはり番組ファンのサム・レヴァイン、ダイアン・クルーガーらと、誰がオーデションに勝ち残り歌手デビューするか?、お互いの細かい分析の意見をぶつける議論を始めてしまい、ついていけなかった…と呆れ果てています。
3月に誕生日を迎え46歳のタランティーノですが、今だに独身のオヤジとしてはアイドル好きはやめられないようです…。
イングロリアス・バスターズ-ブラッド・ピット
ご愛読いただいてきた「地獄のバスターズへの道」ですが、僕が担当するのは今回が最後です。僕が「イングロリアス・バスターズ」とタランティーノを追いかける、このレポートの続きは僕の映画ブログ「CIA☆こちら映画中央情報局です」で連載します。これまでの誌面でのおつき合い、ありがとうございました。
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