タランティーノ監督の戦争映画「イングロリアス・バスターズ」が予告編をオフィシャル・リリース!!、タランティーノ自身の解説でご覧下さい!!

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クエンティン・タランティーノ監督の最新作戦争映画イングロリアス・バスターズ」の予告編は、おとつい水曜日(11日)に、芸能情報番組エンタテインメント・トゥナイト」が放送したテレビ画面直撮りした海賊版ご覧頂きましたが、そのすぐ翌日の12日には、予告編冒頭につけられる「13日の金曜日」の13日の金曜日封切りを待たずオンライン高画質オフィシャル版の予告編リリースされました。なので本来、これは昨日お届けしなければならないはずの記事でしたが、昨日は昨日で、クリストファー・ノーラン監督の新作決定や、「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー兄弟監督がスーパーマンの新作を撮る?!トム・クルーズデヴィッド・クローネンバーグ監督の邪魔をする?!に加え、「エルム街の悪夢」も監督決定!!忙しかったので、「イングロリアス・バスターズ」の予告編までアップすることができませんでしたすみません!!
その遅れた代わりと言っては何ですが、クエンティン・タランティーノ監督が予告編リリースに合わせ、イギリス人気映画雑誌エンパイア」の取材に応じて語ったコメントを元に、日本人気映画雑誌映画秘宝」で、この「イングロリアス・バスターズ」についての連載タランティーノ《地獄のバスターズへの道》」を執筆されている、映画諜報部員ビリーとは本人関係の佐々木さんに、この世界初公開の「イングロリアス・バスターズ」の予告編徹底解説してもらうことにしたので、じっくりとタランティーノ映画世界の一端をお楽しみ頂ければと思います。それでは、クエンティン・タランティーノ監督の快心の最新作イングロリアス・バスターズ」の予告編上映です!! → 


http://www.traileraddict.com/emd/8783
イングロリアス・バスターズ-タランティーノ-予告編-1
↑ クエンティン・タランティーノ監督の戦争映画「イングロリアス・バスターズ」は、昨2008年7月に、ココで初めてストーリーを紹介した時、書いたように、映画全体が5つのパートの章に分けられています。
この兵隊たちが整列の場面は、その全5章のうちの《第2章:イングロリアス・バスターズ》の冒頭です。
犯罪を犯した兵隊たちが、その罪を帳消しにしてもらう代わりに、危険な任務を遂行することになりますが、果たして、そんな兵隊やくざたちの危険な任務とは…、
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↑ 「俺がアルド・レイン中尉だ!!」と、兵隊やくざたちに言い放ったブラッド・ピットが命じた危険な任務は、「お前たちは前線を超え、一般市民になりすまし、ナチス占領下に潜入する。そして、任務をひとつ果たすんだ。たった、ひとつだけだ。
ナチスをブチ殺せ!!
ブラピは役作りとして、ひどい南部訛りの英語で話しているので、ちょっとセリフは聞き取りづらい感じです。また、ブラピの首に傷跡があるのにも注目。アルド・レイン中尉は過去に何かの理由でリンチを受け、死にかけたことのある人物で、そういう謎めいた点がキャラクターの魅力となっています。
タランティーノ監督によれば、「ブラピは最高だよ。彼とは長年、一緒に仕事をしたいと言い合ってきた。『イングロリアス・バスターズ』はそれを叶えるのに完璧なピッタリの映画だったんだ。実際、ブラピ以外の俳優をアルド・レイン役に想定したことはない」とのことで、ハナから本作の主役はブラッド・ピットで決まっており、ウワサされたシルベスター・スタローンや、アーノルド・シュワルツェネッガーなんかの起用は考えたこともなかったそうです。
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↑ ブラピのアルド・レイン中尉と常に行動を共にする忠実な部下のドニー・ドノウィッツ軍曹を演じているのは、残酷映画「ホステル」シリーズのイーライ・ロス監督です。ドニー・ドノウィッツ軍曹は野球のバットでナチスの頭をかち割るのが必殺技!!(↓)、役の設定では出身はボストンとのことなので、松坂レッドソックスの大ファンなのかもしれません?!
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↑ 兵隊やくざになるしか仕方のなかった、「デス・プルーフ」(2007年)のマイケル・バコール演じるジマーマン二等兵(左)と、テレビ「フリークス学園」のサム・レヴァインが演じるハーシュバーグ二等兵(右)です。兵隊やくざたちはみんなユダヤ系の人種という設定になっています。ユダヤの同胞の敵討ちをさせるのに加え、ユダヤ人狩りのナチスをおびき寄せる生き餌ということなんでしょうか?!
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↑ 昨2008年11月にココで写真や動画を紹介した、イーライ・ロスがバット殺人だけでなく、本業の監督としての仕事も果たした、映画中映画のナチスのプロパガンダ映画「民族の誇り」(Nation’s Pride)からのカットです。
この映画中映画「民族の誇り」は、映画本編の中では《第3章:パリのドイツの夜》の中で登場し、ケイト・ウィンスレットの「朗読者」(2008年)に出演しているドイツの俳優、シルベスター・グロスが演じるナチスの宣伝大臣で、プロパガンダの情報操作の天才と言われたゲッベルスが自ら監督となり作ったという設定です。
ゲッベルス監督に起用された主演俳優は、民族の誇りと映画の中で讃えられるナチスの優秀な殺人スナイパーのフレデリック・ゾラーで、演じているのは「グッバイ、レーニン」(2003年)のダニエル・ブリュールです。
このフレデリック・ゾラーは軍人から映画スターに転身するキャラクターで、タランティーノ監督によれば、「許されざる者」(1959年)などで知られる往年の西部劇スター、オーディ・マーフィがモデルだそうです。米軍のGIから俳優になったオーディ・マーフィが、自分の戦争の武勇伝を自分役で主演し映画化した「地獄の戦線」(1955年)などにインスパイアされたそうです。
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↑↓ 上下の場面は、映画のオープニングとなる《第1章:ワンス・アポン・ア・タイム…、昔々、ナチス占領下のフランスで》からのシーンです。
上↑は、ココで紹介した、ドイツのザクセン地方に作られたフランス風農家のオープン・セットの内部で、“ユダヤ人ハンター”のナチス将校ハンス・ランダ(クリストフ・ワルツ)が、ユダヤ人のドレフュス家族の居所を突きとめ、一家を惨殺し、皆殺しにしてしまいます。しかし、たまたま、その場にいなかった娘のシャシャンナは間一髪、死を免れますが、家族の虐殺を目の当たりにしたことで非業の思いを抱え、ナチスへの復讐を誓い、下↓のように必死で逃走することになります…。
(タランティーノ監督は、「エンパイア」の解説でメラニー・ロランの名前だけをあげていますが、走っているのはショシャンナの若い時を演じているレア・セイドゥではないか?と思われます)
タランティーノ監督によれば、「イングロリアス・バスターズ」の真の主役は、メラニー・ロランが演じるショシャンナだそうです。タランティーノ監督は、よく知られているように、本作を1997年に作った「ジャッキー・ブラウン」の頃から長年かけて構想してきましたが、その間で最も大きく内容が変化したのは、当初は単に登場人物のひとりだったショシャンナが主人公に成長してしまったことだそうです。
タランティーノ監督は、この主人公変更について、本作構想の途中で監督した自作の「キル・ビル」(2003年)から受けた影響が大きいと述べています。
また、タランティーノ監督は、この《第1章》は“マカロニ・ウエスタン”のタッチで演出したそうです。残酷描写も少しキッチュな感じなのかもしれませんね。
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↑ ドイツの俳優ソンケ・モーリングが演じているナチスのブッツ二等兵です。
このクソナチ野郎めッ!!とばかりに、額に一生、消えないようにナチスのシンボルであるカギ十字のハーケンクロイツを刻んであげた、メチャクチャ親切な奴はブラッド・ピットです!!
ブッツ二等兵は、兵隊やくざたちに捕らえられ、ご覧のように拷問を受けますが、運良く逃げおおせ、ヒトラーの前で兵隊やくざたちの事を報告し、オデコのカギ十字を見せることになります。
タランティーノ監督は、こうしたイングロリアス・バスターズの残酷なやり方について、「どだい8人の兵隊やくざたちだけで、ナチスを倒せるわけがないのだから、あらかじめ勝ち目のない戦いにイングロリアス・バスターズは挑むことになる。それはかつて白人に追い詰められたアパッチ族のインディアンと同じ立場だ。だから、ブラピのアルド・レイン中尉は、アパッチ族が戦いで倒した相手の頭の皮を剥いだように、ナチスを惨殺して頭の皮を剥ぎとる冷酷さで敵を震え上がらせ、恐怖を武器とした心理戦で優位に立とうとする…」といったことを解説しています。
タランティーノ監督自身もチェロキー・インディアンの血を引き継いでいるので、そんな自分のルーツをキャラクターに重ね合わせているようです。
そうしたことを踏まえると、もしかするとブラッド・ピットは独裁者ヒトラーへプレッシャーを与える挑戦のメッセージとして、ブッツ二等兵をわざと逃がしたのかもしれません?!
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↑↓ タランティーノ監督によれば、全体でおよそ23分間もあるという地下にあるバーのシーンです。この場面は、ミヒャエル・ファスベンダーが演じるイギリス軍将校アーチー・ヒコックが、連合国側に寝返った女スパイであるドイツの有名女優ブリギット・フォン・ハマースマルクと極秘裏に接触するべく潜入して来たところ、銃撃戦になってしまう展開のようです。
ダイアン・クルーガー(↓)もスター女優ブリギットとして必死の形相で引き金をしぼろうとしています!!、この女優ブリギット・フォン・ハマースマルクのキャラクターは、名作「間諜X27」(1931年)で女スパイを演じたマレーネ・ディートリッヒがモデルとなっています。ダイアン・クルーガーも遠まわしの設定ながら、不世出の大女優マレーネ・ディートリッヒ役を仰せつかるだなんて、とんでもない仕事を引き受けたものです!!、コテコテの映画ファンの方は、このブリギットのキャラクターがどんなもんか?!を確認するためだけにでも、この「イングロリアス・バスターズ」をちょっくら観てみたいと思うはずです。
タランティーノ監督は、このように随所に“映画”をからめた本作について、「映画の力でナチスと戦おうというアイディアが気に入っているんだ」と、何だか高尚なことを述べたかと思えば、すぐに「ただし、それは言葉のあやの例えではなく、文字通り、本当に戦うんだけどね」とオチをつけ、やっぱ、タランティーノだよなぁ~と呆れるしかない、女優が銃をかまえることの意味を語っています。
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↓ 上と同じバーの場面ですが、右端はティル・シュヴァイガーが演じている兵隊やくざのヒューゴ・スティグリッツのようですね。ヒューゴは元ドイツ兵ですが、不吉な数字の13人もゲシュタポをなぶり殺しにて、祖国を裏切った結果、イングロリアス・バスターズの仲間となり、独裁者を倒す作戦に協力します。アーチーとブリギットの密会を護衛するため、バーに潜入していたようです。
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↑ 再び、《第2章:イングロリアス・バスターズ》から、サム・レヴァイン(左)、ティル・シュヴァイガー(中)、イーライ・ロス(右)がナチスのパトロールの巡回兵に奇襲をかけようと待ち伏せしている場面です。タランティーノ監督は、こうした戦争映画にはよくありがちな場面について、昔ながらの使い古された戦争映画のありきたりでバカバカしい描写は絶対にやめようと思ったそうです。そのバカバカしい描写とは、例えば、主人公が敵兵の背後に忍び寄り、後ろからサッと首を羽交い絞めにしたかと思えば、アッという間に窒息させて殺してしまい、無事に敵の基地に潜入成功じゃん!!みたいなお手軽な演出だそうです。確かに今や、そういう場面はコントのような感じになってしまいますね。ですから、銃をかまえた上↑のトリオも、現実的な奇襲でパトロール兵を大人しくさせてくれるのだと思います。
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↑ 予告編の最後では、ブラッド・ピットが「お前らみんな、ひとりずつ最低でも100人のナチスの頭の皮を剥ぎやがれ!!、いいかッ、俺はなぁ、連中の頭の皮が欲しいんだよッ!!」とか、無茶苦茶なタンカを切って、演説?を締め括っています。タランティーノ監督は、本作の撮影期間中、ブラピが、例え雑談であれ、いついかなる時でも、アルド・レイン中尉の南部訛りの話し方をやめなかったことに、大変、感激したそうで、「自分が想像したキャラクターが生身の人間となって、そばをウロついてるんだから、マジすごいよ!!」と語っています。
欧米のメディアでは、ブラピの訛りのセリフまわしはあまりホメられていませんが、それはもしかすると現代的な視点から見た意見であって、第二次大戦中にテキサスの田舎から出てきた荒くれ者…という設定にそって受け止めれば、おもしろい役作りなのではないでしょうか?!、ただし、聞き取るのに疲れますが…。
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↑ 最後にオチとして登場しているのは、ドイツの有名な俳優マルティン・ヴトケが演じている独裁者ヒトラーです。マルティン・ヴトケが有名なのは、「アルトゥロ・ウイの興隆」という演劇の舞台で、見事にヒトラーの物真似を演ってみせたからです。と言っても、「アルトゥロ・ウイの興隆」にヒトラーは登場しません。
同お芝居は、シカゴの暗黒街を舞台に、ギャングとしてのし上がっていこうとする主人公アルトゥロ・ウイの姿を追ったものですが、そこにはヒトラーとナチスがいかにして独裁国家を築いたかという興隆の歴史が重ねあわされています。なので、主人公のアルトゥロ・ウイを演じる俳優は、それがわかるように、ヒトラーの物真似のようなパフォーマンスを演ってみせるわけですね。
その戯曲を書いたドイツの偉大な劇作家のひとりである、故ベルトルト・ブレヒトは、第二次大戦中に「アルトゥロ・ウイの興隆」を執筆したので、そうした暗示的な物語とするしかありませんでした。
…と以上のような背景がわかった上で、マルティン・ヴトケが顔を真っ赤にして、ヒトラーを演じ、「そんなことはあり得ん!!、あり得ん!!、断じてあり得ん!!、絶対にあり得ん!!、ある訳がないのだ!!」と、机を叩いている姿を観るとユーモアが引き立つと同時に、そこはかとないタランティーノ監督の反戦のメッセージがキャスティングに込められていることがわかり、タランティーノ、相変わらず、やってくれるなぁッ!!と、「イングロリアス・バスターズ」の続きをもっと観たい!!と、期待がグツグツと煮えたぎってくるのではないでしょうか?!
さて、危うく書き飛ばしそうになりましたが、ヒトラーがカンカンになって、断じてあり得ん!!と怒っている訳は、兵隊やくざたちの隠密行動のゲリラ戦により、次々とナチスの兵隊たちが惨殺されたことで、誰もその姿を認識していない謎のイングロリアス・バスターズは人間ではなく、超自然的な存在ではないかッ?!と、飛躍したウワサがナチスの間で広まり、軍の士気が落ちたことに、そんなゴーストや?!、悪魔?!みたいな連中の部隊がいるわけないじゃないかッ!!と、怒っているそうです。そりゃまぁ、そうですね。先のオデコにカギ十字のところで、タランティーノ監督が語っていた、イングロリアス・バスターズが仕掛けた敵の恐怖心を突く心理戦の陽動作戦が効果を見せ始めたようです。
クエンティン・タランティーノ監督の最新作の戦争映画「イングロリアス・バスターズ」は、5月のカンヌ国際映画祭でプレミア上映のあと、8月21日から全米公開です!!、映画秘宝連載《地獄のバスターズへの道》もお楽しみにッ!!
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【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。特に某映画サイトのライターは文章を丸々コピーしないこと!!

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