トンデモ映画の巨匠ローランド・エメリッヒ監督が、また大風呂敷を広げる予定の大予言パニック映画のボンクラ大作「2012」が、予定されていた7月10日の全米公開をキャンセルし、11月13日封切りに延期されることになりました!! →
トンデモ映画「2012」を製作・配給するソニー・ピクチャーズが本日(アメリカ現地20日)、発表したところによれば、7月10日に夏休み映画の目玉作品の1本として封切る予定だった同映画の公開を、11月13日の感謝祭(23日)手前に移動し、秋のラインナップの強化をはかることにしたとのことです。
これにより「2012」は、人気アニメ「アイスエイジ」シリーズの最新作や、ジョニー・デップとクリスチャン・ベールが対決するギャング映画「パブリック・エネミー」、そして超強力な「ハリー・ポッターと謎のプリンス」といった他社の充実したサマームービーとの衝突を避け、ロバート・ダウニー・Jr主演の「シャーロック・ホームズ」や、ドウェイン“ザ・ロック”ジョンソンのガキ映画「トゥース・フェアリー」といった、一連の派手なサマームービーと比べると見劣りする作品と観客を奪い合うことになります。
ローランド・エメリッヒ監督の作品は、2004年のディザスター・ムービーのサイテー映画「デイ・アフター・トゥモロー」が、全米で約1億8,674万ドルも観客から騙し取ってしまったのをピークに、昨2008年に公開されたデタラメ映画「紀元前1万年」では、その半分の9,478万ドルしか稼げませんでした。
その「紀元前1万年」も、結局、SFXだけが売りで、何のストーリーもない映画として観客の期待を大きく裏切ったことから、すでにインターネット上で公開されている最新作「2012」の予告編も、またワンパターンなお決まりの特撮映像大博覧会を見せられるだけかよッ?!…として、失笑を買っています。
そうした悪評から、ソニー・ピクチャーズの説明する秋作品の強化…といった公開日変更の理由を、まともな映画ファンは信じておらず、「2012」で夏興行で惨敗することを恐れたソニー・ピクチャーズが、ライバルの少ない秋に同映画を左遷した…と解釈しています。
恐らくは公開延期によりできた約3ヵ月間の余裕を使い、ソニー・ピクチャーズは「2012」の内容のカン違いにテコ入れするものと臆測されていますが、同社は当初の公開日以前に当然、映画は完成する…と説明し、内容の見直しを行なう…といったことは語っていません。
先日、ココで偉大なSF作家アイザック・アシモフのライフワークの代表作「ファウンデーション」(銀河帝国興亡史)をソニー・ピクチャーズとローランド・エメリッヒ監督が映画化するという残念な墓荒らしのニュースをお伝えしましたが、この「2012」の処遇により、ソニー・ピクチャーズがどうやら冷静にローランド・エメリッヒ監督の作品はダメだ…と判断する視点を持っているらしいことが映画ファンに伝わり、「ファウンデーション」の進展にも少し期待が持てるようになりました。
左遷された映画「2012」は古代マヤ文明のカレンダーが2012年で終わっていることから、その頃に人類は滅亡するだろう…という終末的予言を題材にした内容で、大災害のオンパレードをサバイバルしたジョン・キューザック(↑写真)らが地球崩壊を食い止める…とかいった展開のようです。同映画は日本では8月に公開が予定されていましたが、やはり、秋以降の上映に繰り下げられるのではないでしょうか(公式サイトなくなったし…)。でも、もうローランド・エメリッヒ監督の大ボラの人類滅亡大予言に騙される観客は少ないでしょう。
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