先週、ココで、モンスター・ペアレントのウィル・スミスが傲慢なスター力をブイブイと発揮し、自分の息子ジェイデンを主演にして、1984年の名作「ベスト・キッド」をリメイクして台無しにする最低のプロジェクトにジャッキー・チェンが巻きこまれることになってしまった…ッ!!という悲惨なニュースをお届けしました。その件について、これまで沈黙を守ってきた元祖ベスト・キッドのダニエルさんこと、ラルフ・マッチオがついに口を開き、親バカに喝を入れてくれましたッ!! →
http://media.mtvnservices.com/mgid:uma:video:mtv.com:333216
80年代に「ベスト・キッド」シリーズで日米ともに一世を風靡したアイドル・スターだったラルフ・マッチオは、1992年のコメディ映画「いとこのビニー」以来、出演作がロクに日本公開されず、“あの人は今どこに…ッ?!”といった印象ですが、俳優業はずっと続けており、最近では人気テレビドラマ「アグリー・ベティ」などにもゲスト出演しています。
そんなラルフ・マッチオは…、う~ん、昨2008年の3月にココで紹介した映画なので覚えていない方も多いと思いますが、あの偉大な劇作家シェークスピアは実はヴァンパイア一族と闘っていたッ?!という、ちょっと変わったインディーズのホラー・コメディ「ローゼンクランツとギルデンスターンは死なない」(Rosencrantz and Guildenstern Are Undead)にも出演しており、その映画のキャンペーンで、現在、サンダンス映画祭と同時開催中のスラムダンス映画祭にやって来たところを、MTVの映画レポーター、ラリー・キャロルが突撃インタビューし、かつての亀田親子状態のようなブーイングを浴びているスミス親子の「ベスト・キッド」リメイクについて尋ねてくれました。
その一部始終が上 ↑ の動画な訳ですが、ラルフ・マッチオは開口一番、「大勢の人が『ベスト・キッド』をリメイクすることに怒り心頭で気分がいいね」と辛口な言葉から始めています。が、さすがに現在47歳のラルフ・マッチオは冷静な大人の態度で、「リメイクが失敗すればいいさッ!!なんてことは思わないけど…」と続け、世間の多くの人々が今回の件で、「E.T.」(1982年)や、「ベスト・キッド」といった“クラシック”作品を不必要にいじくるのはよくないと、昔の映画を愛し、オリジナルへのリスペクトを表現してくれたことに感銘を受けたことを語っています。
そして、ラルフ・マッチオは、自分が演じた主人公のダニエルさんと、彼に空手を教えながら、同時に人生との向き合い方をそれとなく伝えたノリユキ・パット・モリタのミヤギとの絆は、言うなれば、その時その場だけの“映画のマジック”であり、そうした「ベスト・キッド」の核となる魅力はおいそれと再現できるものではない…として、唯一無二な存在のミヤギのキャラクターに匹敵する何か?をスミス親子はリメイクに持ち込まなければダメだろう…などとアドバイスをしてくれています。また、ラルフ・マッチオはレポーターのラリー・キャロルに、「ベスト・キッド」のリメイク映画がオリジナルとはかけ離れたものになったとしても、その永遠不滅な古典的ストーリーを踏襲する限りは、人間的なメッセージが作品の背景からは必ず汲み取れることになるだろう…といったことも語っていたそうです。
結局、ラルフ・マッチオは「ベスト・キッド」のリメイクに真っ向から反対はしておらず、むしろ、リメイクの新作ができることで、自分のオリジナルの「ベスト・キッド」が振り返ってもらえることをよろこんでいる節もあるのかもしれません。
「ベスト・キッド」のミヤギの演技…と言うよりも、その存在感だけでアカデミー賞助演男優賞にもノミネートされたノリユキ・パット・モリタさんは、2005年に73歳で亡くなられました…。亡きノリユキ・パット・モリタさんとの思い出も含め、ラルフ・マッチオは「ベスト・キッド」を宝物のように思っているはずですが、同じ思いを抱いているのは彼だけではありません…。スミス親子はなぜ、バッシングを食らっているのか?!、よく考えてほしいのですが、当てになるのはジャッキー・チェンが頼みですかね?!、それにしてもアメリカの「ベスト・キッド」のファンが、「ベスト・キッド」は日本人のソウル(魂)の映画なのだから中国に舞台を変えるな!!、空手とカンフーは別物だ!!と理解してくれているのは、少しうれしいような気がします。
最後に…、映画への真剣な取り組み方の意見を述べたラルフ・マッチオは今後は映画監督の方面に進みたいそうで、長編映画の監督デビュー作の準備も進めているそうです。すでに彼は2002年に発表した短編映画「Love Thy Brother」で、参加した映画祭の監督賞や作品賞を獲っています。ウィル・スミスは「ベスト・キッド」リメイク版のメガホンを、元祖ダニエルさんに頼めば、もしかして嫌われなかったのでは…?!、どうせ、ハラルド・ズワルト監督(「ピンク・パンサー2」4月日本公開)でも、大した映画になりそうもないのだから…。
【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。