映画やテレビの製作者のほか、オンライン・メディアのプロデューサーなども加盟する業界団体の全米製作者協会(Producers Guild of America)が、2008年の優秀な映画に贈る第20回全米製作者協会賞の候補に、「バットマン/ダークナイト」をノミネートしました!! →
全米製作者協会が本日(現地5日)、発表した第20回全米製作者協会賞
(以下、PGA賞)の候補作は以下の通りです。
「ベンジャミン・バトン/数奇な人生」
「ダークナイト」
「フロスト/ニクソン」
「ミルク」
「スラムドッグ・ミリオネア」
このPGA賞は、同協会に加盟する映画プロデューサーが、概ね同時にアカデミー賞を選考する映画芸術科学アカデミーの会員であることから、本賞はまさにアカデミー賞の前哨戦としてオスカーの作品賞の行方を示す指標となっています。過去19回のPGA賞の選考で選ばれた作品が、オスカーの作品賞を逃したのは7回しかなく、昨年のアカデミー賞作品賞を得たコーエン兄弟監督の「ノーカントリー」(2007年)も、この全米製作者協会賞を受賞しています。
ということは、すなわち、このPGA賞のノミネート作品がそのままアカデミー賞の作品賞候補に横滑りする可能性が非常に高い訳です。
よって、ここで晴れて「ダークナイト」が候補作に選ばれたというのは、いかに作品の内容が良く、映画ファンから絶大な支持を集めようと、しょせんコミック・ヒーロー映画が「名画」としてオスカーの作品賞にまでからむのは無理ではないか?!といった偏見の疑問符をバットマンが吹き飛ばしたことを証明しています!!
この全米製作者協会賞の注目の発表は、今月1月24日(土)にハリウッドのパラディウム・シアターで行なわれますが…、う~ん、前言を翻すようですが、実はここで「ダークナイト」に作品賞を獲られるのは、少し微妙な感もあり、むしろ敗北した方がいい兆候の場合もあります。それは2004年から2006年にかけて、PGA賞とオスカーの作品賞は以下のように食い違っているからです。
2004年 PGA賞「アビエイター」/アカデミー賞「ミリオンダラー・ベイビー」
2005年 PGA賞「ブロークバック・マウンテン」/アカデミー賞「クラッシュ」
2006年 PGA賞「リトル・ミス・サンシャイン」/アカデミー賞「ディパーテッド」
このような結果から、ほぼ同じ人たちが選考することで、本来は同じ作品が選ばれてもおかしくない2つの賞の関係性から推して、先にPGA賞が発表されることでアカデミー賞がサプライズを失ったり、また、それぞれの賞の独自性や、面白みを維持するなどのため、近年は甲乙つけがたい同年度の作品を、それぞれの賞に振り分けている節を察することができます。
それで、どちらかと言うと賞が一般的でないぶん、玄人ウケする映画が選ばれてるようなPGA賞だけに、24日(土)は「ダークナイト」は賞を逃した方が後に大々的に良い結果が出るかも…となる訳です。
果して、仮面のヒーローはPGA賞とオスカーのどちらかを受賞するのか…ッ!!、それとも他の作品が賞をかっさらうのか?!、今後の賞レースを予想しておいてくださいッ!!
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