アメリカ映画興行ランキングで歴代第2位という、史上2本めの5億ドル超えを達成しただけでなく、単にヒーロー映画とはジャンルづけできない、新しい映画のスタイルを作りあげたことからも、“映画の革命”と評されている「バットマン/ダークナイト」のクリストファー・ノーラン監督が、1997年に初めて作った、約3分間の短編映画「あり地獄」(Doodlebug)です。セリフはなく、映像だけでストーリーのわかる作品で、最後まで、ご覧になれば、タイトルの“あり地獄”が何を意味しているか?、そのニュアンスが理解されると思います。この短編が注目に値するのは、ここですでに“終わりない連鎖”のイメージをクリストファー・ノーラン監督が持っていたことで、それが後の、世間をアッと言わせた独創的なストーリーの出世作「メメント」(2000年)に発展したのだろうことが、容易に想像されます。また、“後ろに誰かいるかも…”という不安が、「フォロウィング」(1998年)という尾行映画になったのかもしれませんし、全体としての“孤独な男が何かにとり憑かれている”という妄想感は、まさに「インスムニア」(2002年)から、「バットマン」シリーズへと継承されていくもので、そのテーマの際立った頂点が、ヒース・レジャーのジョーカーではなかったか?という気がします。さらに、この短編からは“罰する者は、また自分も罰せられる”という業のような思想も伝わってきます。それもまたクリストファー・ノーラン監督の作品に底通して見られるテーマであり、「ダークナイト」のトゥーフェイスは、罰する者と罰せられる者とが見せかけのように二分化された概念ではなく、振り子のように行ったり来たりしているだけで、容易に立場が翻ってしまう恐さを体現してたように思います。そのようにクリストファー・ノーラン監督の作品を読み取っていく上で、この短編映画は様々なヒントを与えてくれるだけでなく、同時にそれは、自分の内に抱えたテーマを、最初からシンプルな視覚表現のメッセージに集約できたクリストファー・ノーラン監督が映像作家として、並々ならぬ才能の持ち主であることを如実に理解させてくれます。最後に、本作でひとり芝居を演じているジェレミー・セオボルドは、この後、前述のクリストファー・ノーラン監督の長編デビュー作「フォロウィング」に主演するだけでなく、プロデューサーとして作品が世に出ることに、ひと役買っています。クリストファー・ノーラン監督は、その友情に応えるように、「バットマン・ビギンズ」(2005年)では、端役ですが、ジェレミー・セオボルドを起用しています。長い休暇でリフレッシュをはかっているクリストファー・ノーラン監督ですが、そうした旧交を温めているのでしょうか。
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日別アーカイブ: 10月 12, 2008
「インクレディブル・ハルク」のDVDの特典映像で発見されたキャプテン・アメリカの氷漬けミイラ?の写真!!
6月にココで、エドワード・ノートンが主演した「インクレディブル・ハルク」(2008年)に、実はキャプテン・アメリカの登場場面があったのだけれど、本編からカットされたという話題をお届けしました。同映画の監督ルイ・レテリエは、そのキャプテン・アメリカの出演場面はDVDで復活すると言っていたのですが、上下の写真はその、来週21日(火)にアメリカでリリースされる「インクレディブル・ハルク」のDVDの特典映像から発見された、問題のキャプテン・アメリカの出演場面?です。ご覧のように、キャプテン・アメリカは凍土の中で、哀れにも凍りついたミイラか?、「デビルマン」のデーモン一族のように固まっています。監督のルイ・レテリエは、エドワード・ノートンのブルース・バナーが、自らの呪われた運命に悲観し、自殺しようと死に場所を求めた北の大地で、キャプテン・アメリカと出会い、魂の救済を得る…と、未公開場面を解説していたのですが、これでは救済が必要なのは、キャプテン・アメリカのようです。ルイ・レテリエ監督は、そもそも「インクレディブル・ハルク」の全米公開前に、キャプテン・アメリカがカメオ出演していると、ネタバレのような口ぶりで情報を明かし、映画への注目を煽りましたが、期待して映画館に出かけたファンが、「インクレディブル・ハルク」の中にキャプテン・アメリカの登場場面を見つけられず、“どうなってんだよッ?!”と抗議が殺到した結果、「いやぁ~、その場面は実は直前に編集でカットになっちゃってねぇ~、そこまで言うのを、スッカリ忘れちゃったよぉ!!」と、シラジラしく答えたボケナスなのですが、その際、DVDでは、先のようなハルクとキャプテン・アメリカの出会いの場面があると発言しました。でも、実際は、これでは単なる隠しメッセージのイースター・エッグのようなもので、キャプテン・アメリカが登場!!とか、キャプテン・アメリカも出演!!とは呼べそうにないものです。ルイ・レテリエのお調子野朗は、ココでも、次の「スーパーマン」の監督は自分で、すでにワーナー・ブラザースから話があった…としか解釈できないような思わせぶりな言い方をして、世間を騒がせましたが、彼の発言はいつもいい加減なようですね。この氷漬けのキャプテン・アメリカも、本当に最初から映画の中にあったのか?、ルイ・レテリエ監督の嘘を正当化するために、DVD用にCGで後から合成したのか?、ちょっと怪しいものです…。なので、キャプテン・アメリカのファンの方は、けして、キャプテン・アメリカとハルクのツーショットの場面がDVDにはある!!などと騙されて、そのためにDVDをお買い求めにはなりませんようにッ!!、ちなみに最近、マーベルは、2011年5月全米公開予定の「ザ・ファースト・アベンジャー/キャプテン・アメリカ」のプロットを発表しましたが、すでに伝えられていた、映画の舞台は第二次大戦という情報を確認した内容のものでしかありませんでした。主人公のヒーロー、キャプテン・アメリカ役の俳優については、ウィル・スミスが主演?などというデマもありましたが、その後、候補の名前はあがっていません。関連作品のスーパーヒーローのオールスター・キャスト映画「アベンジャーズ」(2011年全米公開予定)については、出演者として、テレビドラマ「デスパレートな妻たち」のエッチな人妻ガブリエルさんを演じているエヴァ・ロンゴリアがウワサにあがっていますが、その根拠は薄いもので、彼女が先月9月12日にマーベル・コミックを訪問した時の写真(←)で、彼女が手に「アベンジャーズ」のコミックを持っていたというだけのことです。まぁ、営業のアイサツまわりでマーベルに行ったら、手土産にコミックをもらったよというだけ?かもしれませんね。話を「インクレディブル・ハルク」に戻すと、主演・脚本・監督も?と大活躍したエドワード・ノートンは、「続篇についてマーベルからは何の連絡もないんだよね…」と、少し不愉快そうに述べており、音信不通の意味を、「どうも自分のブルース・バナーは終わりのようだ…」と、受け止めているようです。最後に、現在日本公開中の「アイアンマン」の中でも、ロバート・ダウニー・Jr演じるトニー・スタークのオフィスに、キャプテン・アメリカのシールド(楯)が置かれています。何かと紆余曲折がありそうな映画のマーベル・ユニバースですが、今後の展開がどうなるのか?!、また続報があれば、お届けします
!!
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写真家ショーン・エリスが、かつてない殺し方をクールな映像美で描いた最新作のホラー映画「ブロークン」の動画4本とポスター!!
http://services.brightcove.com/services/viewer/federated_f8/1214128517
2006年に発表した本格的な映画監督デビュー作「フローズン・タイム」が好評だった、フォトグラファーのショーン・エリスの2本めの作品となるホラー映画「ブロークン」の、かつてない殺し方の恐ろしい場面(↑)です。本作は、ショーン・エリスらしいスタイリッシュな映像美が醸し出す、静かな戦慄の恐怖のムードが、スタンリー・キューブリック監督の傑作ホラー「シャイニング」(1980年)の洗練されたイメージに相通じているなどと評され、並のホラー映画とは一線を画した、レベルの高い映画として期待されています。そんな「ブロークン」は、まだ欧米での一般公開も決まっておらず、海外の映画ファンをやきもきさせていますが、世界に先行する形で日本では来月11月15日から封切られます。物語は、ロンドンで働くX線技師のジーナが、ある日、自分の分身のドッペルゲンガーを目撃し、その後を追いかけたことから始まる不穏な出来事が描かれていく…というミステリアスなもので、やがて、ジーナが異常の根源である、もう1人の自分の謎を知る衝撃の展開が待ち受けていた…ッ!!ということですね。ジーナを演じてるのは、映画の「ターミネーター」シリーズとは時間軸が異なるテレビ・シリーズ「ターミネーター:サラ・コナー・クロニクル」で、タイトル・ロールのサラ・コナーを演じているレナ・ヘディ。彼女の父を、ブラッド・ピットらと共演した、コーエン兄弟監督の最新作「バーン・アフター・リーディング」がアメリカでヒット中の名優リチャード・ジェンキンスが演じています。本作では重要なモチーフとして、鏡が使われていますが、同様に鏡をテーマにした、キーファー・サザーランドのわかりやすいホラー映画「ミラーズ」(2008年)とは、だいぶセンスが異なりますね。バスタブのシーンも少しイメージが被っているのですが…。続きを読むの後にも、ジーナがもう1人の自分を見つける問題の場面の動画に加え、さらに映画の一場面と海外版のクールな予告編の計3本の動画をあげているので、ぜひ、ご覧になってください。本作の上映館や、さらに詳細な情報などは、こちらの日本語公式サイトでど~ぞ!!
★ホラー映画「ブロークン」の動画はこちら →
ディズニーのエキゾチック・アドベンチャー大作「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」で、悪役ニザムを演じるベン・キングズレーが登場!!
ディズニー・ピクチャーズとプロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが、第2の「パイレーツ・オブ・カリビアン」として撮影を進めている、人気ゲームを映画化するエキゾチック・アドベンチャー大作「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」に登場する、名優ベン・キングズレー演じる悪役ニザムの写真です。このニザムは、兄弟であるペルシャ王、シャラマンを殺害し、その濡れ衣を、王子のダスタンに被せ、彼を国から追放した挙げ句、伝説の“時をあやつる砂”を手に入れ、世界を支配しようとします。そして、王子のダスタンはそんなニザムの野望を阻止し、汚名を返上して、国を取り戻すことができるのか?!という展開ですね。プリンス・ダスタンは、8月にココで撮影中のスナップを紹介したジェイク・ギレンホールです。ダスタンに協力する隣国のおてんばな姫タミナを、「007/慰めの報酬」(2009年1月公開)のボンドガール、ジェマ・アータートンが演じています。監督は「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(2005年)の名匠マイク・ニューウェルです。本作は、来年2009年の夏は、マイケル・ベイ監督の「トランスフォーマー2」に主役の座を譲り、全米公開を再来年の2010年5月にまで延期しています。「バッドボーイズ」シリーズや、「アルマゲドン」(1998年)などでコンビを組んできたジェリー・ブラッカイマーとマイケル・ベイ監督だけに、互いに食い合うことは避けたということでしょうか?!、ジェマ・アータートンがどんなセクシーな格闘プリンセスとして登場するのか?!、彼女のコスチュームが早く見たいですね!!
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