ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグが1,200人のユダヤ人を助ける、感動の戦争実話の映画化「デファイアンス」が写真を公開!!

ダニエル・クレイグ-デファイアンス-1
先ほど、ネタバレの写真を紹介した、ジェームズ・ボンド最新作007/慰めの報酬」がアメリカで公開される11月14日約1ヶ月後の12日12日に全米公開される、ダニエル・クレイグ主演最新作の戦争映画デファイアンス」(Defiance=反抗、抵抗)が、新しい写真を公開しました。本作は、6月ココでポスターと予告編を紹介しましたが、第二次大戦中の実話を元にした戦争ドラマです。ダニエル・クレイグは、リーヴ・シュレイバージェイミー・ベルらと3兄弟のユダヤ人レジスタンスとして、森の奥深くに秘密の村を建設し、1,200人ものユダヤ同胞を、ナチスから匿った英雄を演じています。 ↓ の写真で、ジェイミー・ベルと恋人らしい雰囲気を醸し出している女優は、ティム・バートン監督の最新作不思議の国のアリス」の主役アリスに大抜擢され、ジョニー・デップ共演する、オーストラリア出身18歳ミア・ワシコウスカですね(ココに「アリス」撮影風景の写真)。彼女がなぜティム・バートン監督に見初められたのか?、その才能の片鱗が、この「デファイアンスで確認されるのではないでしょうか?!、そんな注目のミア・ワシコウスカをいち早く映画に登場させた監督は、レオナルド・ディカプリオの「ブラッド・ダイアモンド」(2006年)などで知られるエドワード・ズウィック監督です。エドワード・ズウィック監督の映画はスケールが大きくダイナミックなストーリーの展開でおもしろいんですけれど、添え物のように、とりあえずラブストーリーのロマンスも足してしまうところが、映画が硬派になりきれず、玉にキズのように思っています。そういったパターンでいけば、 ↑ の写真で、ダニエル・クレイグと、「ミスト」(2007年)に襲われていた不運なスーパーマーケットのレジを打っていたアレクサ・ダヴァロス並んで歩いているのは、ちょっと怪しいですね。この2人もラブラブなのかもしれません。アレクサ・ダヴァロスは、続きを読むの後に大きな写真をあげているので、ご覧下さい。それにしても、2ケ月連続でダニエル・クレイグの新作映画が観られるアメリカの公開スケジュールは羨ましい限りですが、ダニエル・クレイグは、本作公開の2週後の26日に公開される、トム・クルーズ戦争スリラーワルキューレを迎え討たなければならないので大変です!!ダニエル・クレイグのユダヤ人レジスタンスVSトム・クルーズの片目のナチス将校の対決ですね。エドワード・ズウィック監督が、「ラスト・サムライ」(2003年)で、トム・クルーズを切腹で殺しといてくれたらよかったんですが…ッ!!
ダニエル・クレイグ-デファイアンス-2
ダニエル・クレイグ-デファイアンス-3
ダニエル・クレイグ-デファイアンス-4
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ボンド最新作「007 / 慰めの報酬」が、ここまで見せてはいけない写真を公開!!、007映画で初の全身ヌルヌルのブッカケで逝く濡れ場?!

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ワーナー・ブラザースが「ハリー・ポッターと謎のプリンス」の公開日を、今年11月から、2009年7月へと強引に延期したのに呼応して、アメリカでの公開日11月7日から14日へと1週間くり下げたせいで、そのアメリカの当初の公開日7日に予定通り公開されるインドから、1週間の時間差の間に、いったい、どれだけの海賊版がアメリカに上陸することやら…と、ソニー・ピクチャーズの公開スケジュールの世界的視野から見た失敗心配する声が上がっている、ジェームズ・ボンド最新作007/慰めの報酬」が、イギリスでの今月末31日世界最速公開日に向けた話題作りのため、デイリー・メイルで、新しい写真を公開してくれました。が、その写真が大いに問題アリで…、う~ん明らかにネタバレですよね…?!って感じの写真です。ストーリーの要所が、写真によりズバリ明かされてしまっていて、映画を観る楽しみを根こそぎのように奪っています。なので、写真そのものは、ネタバレ注意で続きを読むの後に隠しておくので、観たい方だけご覧下さい。果して、配給のソニー・ピクチャーズは、なんでそんな写真をネットに出そうと思ったのか?、よくわかりませんが、この007最新作は、以前、ココで伝えたように、これまでのボンド映画のお約束ごとをドンドンと排除してしまい、テンポ・アップをはかった結果、1時間46分というシリーズ史上最短の映画に仕上がっていると言われています。それについて、早速ネット上では、そんなボンドを否定したボンドはいらない!!といった、ファンからの反発の声が多く上がってしまったので、「慰めの報酬」は、けして過去のボンドを否定することが目的の作品ではなく、ちゃんとボンド映画の歴史の上にも乗っかっていますよということを、ソニー・ピクチャーズは新たな写真で示したかったのかもしれません。ところで、その1時間46分という上映時間については、本作の監督に、本来はアクション映画志向ではない、「君のためなら千回でも」(2007年)などのドラマ映画の名匠マーク・フォースター起用したのは、復讐劇としての「慰めの報酬」のドラマ的な質を高めシリーズ全体のクオリティ・アップを目指すためだったはずで、ならば、物語や人物像をジックリと描いていった結果が、なぜ、通常の007映画より、約25分前後も短くなってしまうのか?!、むしろ、長くならなければおかしいのでは?!と、もしかすると監督起用は失敗だったのか…?といった疑問が指摘されています…。ジャック・ホワイトアリシア・キーズ主題歌期待されていたようなセンスの曲ではなくハズシてしまいましたし、ココのアメリカ版ポスターも少しネタバレ気味…。と、そういった周囲から、少しずつ何かが狂い始めてる気配が、「慰めの報酬には漂ってきました…ネタバレのような写真をリリースしたのも、何かの焦りの表れなのでしょうか…?、シリーズ第22作007/慰めの報酬」は、日本では2009年1月公開です。ジェームズ・ボンドインドの映画海賊版ルートを壊滅できす偽のDVDなどが出回ったとしてもくれぐれもご覧にはなりませんようにッ!!
慰めの報酬のネタバレ写真はこちら → 

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10月3日~10月5日の全米映画ボックスオフィスBEST10!!

トレンドマイクロ・オンラインショップ
*数字は、週末の興行成績-(公開館数)-トータル成績 の順です。
第1位ビバリーヒルズ・チワワ    第2位イーグル・アイ    第3位ニックとノラ    第4位最後の初恋     第5位
アパルーサの決闘
第1位ビバリーヒルズ・チワワ
   $29,000,000-(3,215館)-$29,000,000
第2位イーグル・アイ」(10月18日公開)
   $17,700,000-(3,516館)-$54,605,000
第3位ニックとノラの無限大プレイリスト
   $12,000,000-(2,421館)-$12,000,000
第4位最後の初恋」(公開中)
   $7,355,000-(2,702館)-$25,075,000
第5位アパルーサの決闘
   $5,015,000-(1,045館)-$5,570,000
第6位レイクビュー・テラス    第7位バーン・アフター・リーディング    第8位ファイアープルーフ     第9位アメリカン・キャロル     第10位
レリジュラス    
第6位</b「レイクビュー・テラス
   $4,500,000-(2,574館)-$32,140,000
第7位バーン・アフター・リーディング
   $4,083,000-(2,397館)-$51,641,000
第8位ファイアー・プルーフ
   $4,069,000-(852館)-$12,491,000
第9位アメリカン・キャロル
   $3,810,000-(1,639館)-$3,810,000
第10位レリジュラス
   $3,500,000-(502館)-$3,519,000
ビバリーヒルズ・チワワチワワがイーグルに噛みついたッ!!、ディズニー映画の最新作「ビバリーヒルズ・チワワ」が、先週トップの「イーグル・アイ」を墜落させ、初登場で華麗に首位をゲット!!、アニメの動物は人間の言葉を話せるけれど、実写の動物は話さないものという、かつての映画作法の不文律が、CGの進歩のおかげでブタが話しだしてから(「ベイブ」1995年)、実写映画のアニマル・タレントたちも普通にペチャクチャとセリフを話すようになってしまった、いわゆる、しゃべる動物映画の最新作。このしゃべる動物映画については、非現実的でバカバカしいとして認めない大人な意見?もありますが、ご覧のように、ペット人気に支えられ、ファミリー・ピクチャーとしては大成功を収めています。本作の物語は、ビバリーヒルズでチヤホヤと甘やかされて育ったセレブなチワワのクロエがメキシコで迷子になり、ジャーマン・シェパードのデルガドなどに助けられながら、お家に帰るという、動物映画では、お決まりのパターンである、奇跡の帰巣本能?を描いたカミングホーム・ストーリーです。ディズニーは来月11月21日にも、新作の動物アニメ「ボルト」の全米公開を控えていますが、そちらもハリウッドでチヤホヤのタレント犬がニューヨークで迷子になり、出会った仲間と共に帰宅を目指し、アメリカ大陸を縦断旅行のチワワを横切る方角から横断冒険旅行をするという、やっぱり、奇跡のお帰りなさい物語という、ほとんど同じ筋立てとなっています。設定は異なるものの、2ヶ月連続で同じような映画を封切るディズニーの公開プランには、少し無理があるような気がするのですが…。まぁ、いずれにしろ、どちらの新作映画も、ディズニーの1963年の名作「三匹荒野を行く」の焼き直しの、そのまた焼き直しのセルフ・リメイクみたいなものなので、今さら、映画の内容にオリジナリティがないことを気にしても仕方がないのでしょう…。主人公のチワワ、クロエの声をつとめてるのは、「おさるのジョージ」(2006年)ではサルと仲良しだったのに、これからは犬猿の仲になってしまいそうな、ラブコメ女王のドリュー・バリモア。ジャーマン・シェパードのデルガドの声は、アンディ・ガルシアです。人間のキャストとして、コヨーテが出てくる動物映画ではない「コヨーテ・アグリー」(2000年)のセクシーなバーテンダーでデビューしたパイパー・ペラーボや、元スクリーム・クイーン(ホラー映画の主演女優のこと)で、「危険な動物たち」(1997年)に出ていたジェイミー・リー・カーティスらが出演しています。監督は、ドリュー・バリモアの傑作ラブコメ「25年めのキス」(1999年)のラジャ・ゴズネルです。しかし、チワワがこんなに話せるのなら、「キューティ・ブロンド ハッピーMAX」(2003年)で、リース・ウィザースプーンのブロンド弁護士になんて助けてもらわず、自分で弁護をつとめればよかったのでは?!、ココでも、本作のバカバカしくて笑うしかないミュージカル調の短い予告編をあげているので、物好きな方はご覧下さい。
ビバリーヒルズ・チワワ予告編
http://www.movieweb.com/v/V08G127ckorJQV
ディスタービア」(2007年)のD.J.カルーソー監督とシャイア・ラブーフが再びコンビを組んだアクション映画「イーグル・アイ」が、先週の初登場第1位から、惜しくも連覇は出来ず、第2位に後退。本作は原案がスティーヴン・スピルバーグということから、期待して観に行った映画ファンの多くが、つじつまの合わないストーリーのご都合主義的な展開に怒っているものの、気晴らし程度の軽い気分でこの映画を選んだ大多数の主な観客は、1時間58分間、楽しめた…といった反応が出ているようです。要は、よくあるハリウッドのエンタメ・アクション映画の1本に過ぎない?というのが、本作の総評となる格好ですが、連続首位を獲れなかったのは、そういった“並”の出来栄えが原因と言うことでしょうか?、今週末はレオナルド・ディカプリオのスパイ・サスペンス「ボディ・オブ・ライズ」が封切られ、似た観客層の多くをそちらに盗られてしまうだろうことから、さらに成績は一気に落ち込みそうな本作ですが、現在のトータル興行収入が5,460万ドルでは、最終的な数字が、コンビの前作「ディスタービア」の8,020万ドルとあまり変わらないことになってしまいそうで、製作費を「ディスタービア」の2,000万ドルから、4倍の8,000万ドルに拡大した本作は、儲けも4倍とはならず、興行的には“並”以下となってしまいそうです…。「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」(11月22日公開)もそうでしたが、ドリームワークスの映画は、充分な興行成績を上げながらも、製作費が高すぎるため、大きな黒字に至りません。パラマウント傘下を抜け出し、独立するドリームワークスですが、こういった贅沢な映画作りの体質を見直さないと、いずれまた、どこかのメジャー・スタジオの傘下に入らなければならないかも…。
ニックとノラJUNO/ジュノ」(2007年)のマイケル・セラと、人気の若手女優カット・デニングスの青春ラブストーリー「ニックとノラのインフィニット・プレイリスト」(Nick and Norah’s Infinite Playlist)が、初登場で第3位。題名の“インフィニット・プレイリスト”の“インフィニット”は“無限大”で、“プレイリスト”は、よく聴く音楽の“お気に入りリスト”のこと。というタイトルから、あぁ、音楽映画なんだ…!!ということが即座にわかる本作は、ライブハウスでバッタリ、元カレに出会ってしまったカット・デニングスが、負け犬のシングルに見られたくないため、見栄を張り、その場にいた赤の他人のマイケル・セラを即席の恋人に仕立て上げ、知らない者同士が、いきなりアクシデントのようなキスをしたことから、ふたりにとって、生涯、忘れられない一夜を過ごすことになる…という、ロマンチックなラブ・コメディ。具体的には、そんな思いがけない奇遇で出会ったふたりが、お互いにお気に入りのバンドのシークレット・ライブの会場を探し求めて、夜のニューヨークの街をさ迷う間に出くわす様々なトラブルの都会の冒険が描かれていきます。果して、夜明けの朝には、ふたりの関係はどう発展しているのか?、一夜限りの恋人たちの結末をお楽しみにッ!!ということですね。監督は、2002年に発表した「ヴィクター・ヴァルガス」でも、ニューヨークを舞台にティーン・エイジャーのラブストーリーを描き、カンヌ映画祭などで才能を評価されたピーター・ソレットです。主演のカット・デニングスは、前作のコメディ映画「ハウス・バニー」(主演はアンナ・ファリス)が、先々週までBEST10に入っていたので、たった1週お休みしただけで、また自分の作品をBEST10に入れているという大活躍のあげまん女優?、今後、さらにブレイク必至の彼女なので、顔と名前を覚えてあげてください。ちなみに「ハウス・バニー」も、この「ニックとノラ」も、ソニー・ピクチャーズの作品。青春コメディのジャンルでは、向うところ敵なしです。ココに本作のポスターと、カット・デニングスのスキャンダルの話題があります。
ニックとノラの無限大プレイリスト予告編
http://www.movieweb.com/v/V08G2fhuvFKSTX
リチャード・ギアダイアン・レインが主演のニコラス・スパークス原作のラブストーリー「最後の初恋」が、先週の第2位から、約45%の売上げを落として、第4位にランクダウン。しかしながら、もしかすると観客から無視されて惨敗かも?といった予想もされていた本作だけに、この健闘は少し驚き…。製作費は公表されていない本作ですが、内容からして、2~3,000万ドルの範囲内でしょうから、しっかりと黒字になり、また新たなニコラス・スパークスの原作が映画化されることになりそうですね。
先々週の全米映画ボックスオフィスBEST10で、圏外(第26位)の注目作品として紹介しておいた、「アパルーサの決闘」が、たった14館の限定公開から、公開3週めで一気に1,031館も増やす拡大公開となり、第5位まで駆け上ってきました!!、本作は、エド・ハリスヴィゴ・モーテンセンという、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」(2005年)では殺し合っていた2人が、保安官コンビとなり、ならず者たちと闘う中で、熱い男の友情を垣間見せる、ロバート・B・パーカー同名本格ウエスタン小説が原作。監督も、原作に惚れこんだエド・ハリスが自分で行なっており、傑作との口コミがすでに拡がっていたせいか、単館あたりでは4,799ドルという上々の数字を稼ぎ出し、ワンランク上の「最後の初恋」を抜いています。じわじわと息の長く続くヒット映画となりそうな作品ですね。
第6位の、サミュエル・L・ジャクソン演じる、隣人の警官が変態で嫌がらせをしてくるサイコ・スリラー「レイクビュー・テラス」は、公開3週めで、先週の第3位から後退ながら、新たに107館もスクリーン数を増やす人気となっています。製作費は2,000万ドルですから、さらに充分な黒字を積み重ねそうですね。しっかりとしたマニア・ファンの基盤を持つ、個性派サミュエル・L・ジャクソンの人気は、なかなか劣化しません。
第7位の「バーン・アフター・リーディング」は先週、第5位で、初登場第4位につけた「ファイアープルーフ」に上位に立たれてしまい、ブラッド・ピットジョージ・クルーニーという大スター2人が、「愉快なシーバー家」の長男マイクに負けちゃったよッ!!と、マイナー俳優、カーク・キャメロンの主演作に敗れたことが、メディアでギャグみたいに言われていたのですが、今週は、スターの面目を保てたようです。ブラピも、カミさんのアンジェリーナ・ジョリーの最新作「チェンジリング」(10月24日アメリカ公開)のキャンペーン応援で、久しぶりに夫婦でアメリカに帰って来ましたし、本作も今一度、観客から再注目してもらえるかもしれません。
その、カーク・キャメロンが2大スターの作品を押えた珍事が話題になった、離婚寸前の夫婦のセラピー映画「ファイアープルーフ」は、先週、詳しく記したように、教会ルートでの大量動員がかけられた、“神の力”によるヒットであって、けして、映画の内容が一般に認められたとは言えそうにない作品です。先週の第4位から、売上げを約40%落としての第8位にランクダウンですが、本作の製作費は、映画学科の学生の卒業製作の映画かよッ?!とツッコミたくなるような、たったの50万ドル…。すでに充分すぎるほどのお布施を稼いでいますが、神はさらに浄財をお求めになるのでしょうか?!、そんな訳で、くれぐれも本作を、全米大ヒット映画などとは誤った理解をされませんように…。
アメリカン・キャロルクリス(1997年没)、ケヴィン、ジョンのコメディアン3兄弟、ファーリー・ブラザースの真ん中の次男ケヴィンが、「華氏911」(2004年)や「シッコ」(2007年)などで知られるドキュメンタリー映画の監督、マイケル・ムーア役?を演じてるコメディ映画「アメリカン・キャロル」が意外な奮闘?を見せ、初公開第9位に登場。本作は、ケヴィン・ファーリー演じる、アメリカ社会への批判を続ける、スキャンダラスなドキュメンタリー映画監督マイケル・マローンが、7月4日の独立記念日に、アメリカの国家の在り方を問う新作ドキュメンタリーを製作の最中、ジョージ・ワシントンジョン・F・ケネディ、そして、「パットン大戦車軍団」(1970年)のパットン将軍という、アメリカの歴史上の3人の偉人のゴーストが彼の前に現われ、アメリカ合衆国という国家の真の意味や価値を教えてくれるというお話。と、ここまで説明されて初めて、「アメリカン・キャロル」という題名が、文豪ディケンズの名作「クリスマス・キャロル」のダジャレだったことに気づかされる訳ですが、それでも舞台がクリスマスならぬ、季節はずれの夏の独立記念日なため無理が感じられ、今ひとつ、ストレートにはパロディがピンと伝わってきません。監督は、「フライング・ハイ」(1980年)や、「裸の銃を持つ男」のシリーズ、また、「最終絶叫計画4」(2006年)などで有名なデヴィッド・ザッカーです。と、それらの映画の題名を羅列されれば、あぁ、そういうバカバカしい系のアメリカン・コメディか…ッ!!と、自ずと内容は想像していただけるのでは?、「裸の銃を持つ男」のレスリー・ニールセンおじさんも、お約束通りにちゃんと?ご出演なさっています。
アメリカン・キャロル予告編
http://www.movieweb.com/v/V08H14aeEGJLRU
レリジュラス第10位に、わずか502館の公開館数ながら、アメリカでは毒舌タレントとして有名なビル・マーがパーソナリティをつとめたドキュメンタリー映画「レリジュラス」が初公開でギリギリ、なんとかランクインの大健闘!!、本作のタイトル「レリジュラス」(Religulous)とは、聞き慣れない言葉ですが、普通の英語の辞書には載っていない俗語で、宗教の愚かな信仰にふけっている人や、迷信を疑うことのないマヌケな人たちを指す言葉。という訳で、本作は日頃から、宗教はまやかしだッ!!と過激な発言をくり返しているビル・マーが、世界の様々な聖地を訪ねたり、宗教家や信仰に厚い人たちを取材した、マイケル・ムーアもどきのちょっとスキャンダラスなドキュメンタリー映画です。ビル・マー自身は、理神論者の立場を取っていて、万物の創造主としての神のような者の存在は信じたいと思うが、人の姿をした偶像を崇拝する“宗教”は、古今東西で様々な対立とトラブルの引き金となっていることから、魂の救済にはなっておらず、神という絶対の存在を認めることで、人は自分の頭で考え、努力する機会を失ってしまう…といった風に、これまで様々な媒体で発言しています。宗教の信仰心があるようで、無いような、微妙な日本人の普通の感覚からすれば、もしかすると、そのビル・マーの意見はすごく尤もな結論のようにも思えるのですが、世界では、そうもいかない…という宗教の現状が、よくわかりますよというのが、この映画ですね。監督は、「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」(2006年)では、別な意味で、真実を暴いていたラリー・チャールズです。スキャンダラスな内容を含むとは言え、ドキュメンタリー映画という地味な体裁の本作が、BEST10圏内に食い込んでこれたのは、ビル・マーのアメリカでの認知度などに加え、他の作品よりも公開を2日くり上げ、10月1日(水)に封切って先行したぶん、口コミで観客を増やすことなどに成功したおかげかもしれません。
レリジュラス予告編
http://www.movieweb.com/v/V08F1689ilnqLX
伊勢谷友介木村佳乃といった日本人俳優も出演で話題の全世界失明映画「ブライドンネス」は、残念ながら、全米初登場はBEST10圏外の第12位という、いきなり目の前が暗くなるスタートとなってしまいました。公開館数は1,690館で、興行成績は200万2千ドル。1館あたりで、1,185ドルしか売上げられていません。ココで伝えた、全米盲人協会による盲人差別の映画と断定されたバッシングが利いた訳ではないでしょうが、第8位から第10位のそれぞれの作品よりも公開館数では上回っているので、情けない結果と責められても仕方ない興行状況になっています。本作の推定製作費は約2,500万ドルですが、全米でほとんど稼げないとあっては、全世界の興行収入を足したトータルでも黒字になるか?は疑問です…。果して、日本ではどのような結果が出るのか?、11月22日の公開が楽しみですね。先のリンク先に、伊勢谷友介が失明してしまう、映画の冒頭5分間の動画があるので、ご覧下さい。
初公開の封切り作が全部で8本と多かった今週のランキングで、その他の作品もひろって紹介すると、ココで取り上げた、自動車のワイパーを発明した男の伝記映画「フラッシュ・オブ・ジーニアス」は公開館数1,098館で、惜しくも第11位の232万ドルの売上げ。「ホット・ファズ」(2007年)などで人気のイギリスのコメディ俳優、サイモン・ペグのハリウッド映画本格主演作「友人を無くし、人を遠ざける方法」(How to Lose Friends and Alienate People)は、スクリーン数1,750という拡大公開ながら、やはり、アメリカでのサイモン・ペグの知名度が及ばず、第19位で140万ドルという赤字確定のスタート。キルスティン・ダンストミーガン・フォックスという女優らの人気では、観客を集めるまでには至りませんでした。レイチェル・ゲッティング・マリッド一方、たった9館だけの限定公開ながら、アン・ハサウェイ主演のシニカルな笑いのホームドラマ「レイチェル・ゲッティング・マリッド(Rachel Getting Married)」(写真)は、1館あたりで3万3,667ドルという、アベレージ・ランキングでは圧倒的な第1位の数字を上げ、週末、最も映画館の座席を埋めた映画となっています。監督は「羊たちの沈黙」(1991年)や「フィラデルフィア」(1993年)で活躍したジョナサン・デミ。アン・ハサウェイが演じる、メンタル面で問題を抱え、過去10年間もリハビリをくり返している、元モデルの主人公キムが、姉妹の結婚式に出席するため、久しぶりに帰宅し、巻き起こる家族のヒステリックな騒動を描いた作品です。ちょっと、ニコール・キッドマンの「マーゴット・ウェディング」(2007年)と似ていますね。下 ↓ の予告編をご覧下さい。
レイチェル・ゲッティング・マリッド予告編
http://www.movieweb.com/v/V08H4mnoEFIPRV
今週は思いがけず、神を信じる者は救われると賛美する映画「ファイアープルーフ」と、宗教なんて嘘っぱちだッ!!という「レリジュラス」という、対立した2本の映画が同時にランクインしたばかりか、マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画をパロディの題材にして真似た「アメリカン・キャロル」と、マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画みたいなドキュメンタリー映画「レリジュラス」という、微妙に呼応しあう作品が出揃った、カルチャー志向?が特徴的なランキングだったと思います。映画というメディアの幅や、可能性については示してくれましたが、本来の映画らしい劇映画ではなく、映画ファンにとっては、ちょっと心もとない感じだったかもしれません。しかし、今週末はいよいよ、レオさまの最新作のスパイ・サスペンス「ボディ・オブ・ライズ」や、ゾンビ映画「クゥオランティン」、また、ファンタジー映画の「エンバー/失われた光の物語」が登場など、バラエティに富んだ新作が公開されます。レオは当然のように、指定席の第1位かな?と思いますが、どれだけの数字を上げてくれるのか?、次週をお楽しみにッ!!
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