「オーシャンズ」シリーズのようなオールスターのエンタテインメントから、「イギリスから来た男」(1999年)といったマニアックな小品まで、何でもござれと幅広くこなせる才人のスティーブン・ソダーバーグ監督が渾身で作り上げた、革命の闘士チェ・ゲバラの闘争人生を描いた伝記映画の大作「チェ」2部作(4時間28分!!)について、同映画が大評判になった今年のカンヌ映画祭で、ソダーバーグ監督は、「映画を2本を作っても、ゲバラの人生のすべてをまだ描けた訳ではない。実のところは、この映画の企画は3部作で、中間の1本はお金が無くて、作れなかった…」と、すでに語っていたのですが、先月9月26日から開催中のニューヨーク映画祭での質疑応答で、ソダーバーグ監督本人が、「『チェ』が興行で1億ドル稼げたら、第3弾を映画化する」と公約していたことがわかりました。ソダーバーグ監督が掲げた1億ドルの興行収入の目標が、2部作を合わせてのことなのか?、それぞれ1本ずつ共に1億ドル稼ぎたいのか?、また、アメリカ国内での興行だけを指して述べたのか?、それとも全世界で1億ドルでいいのか?などの条件はわかりませんが、一般ウケする映画ではないので、1億ドルという大きな目標達成は、2本合わせた全世界の稼ぎを集めて、どうにか…といったところかもしれません。スティーブン・ソダーバーグ監督によれば、映画化できなかった3本めの作品とは、2部作の間の中編となるもので、前編「アルゼンチン」で描いたキューバ革命、後編「ゲリラ」で描いたボリビア革命の間で、ゲバラが試みたコンゴ共和国での革命立ち上げの様子の姿を描くものだそうです。このベニチオ・デル・トロがゲバラを熱演した「チェ」2部作は、アメリカでの公開日はまだ決まっていませんが、日本では前編を「チェ 28歳の革命」、後編を「チェ 39歳 別れの手紙」という、女々しい最悪の邦題により、2009年お正月第2弾として前編の公開が決まっており、後編も追って連続して、封切られる予定です。「39歳 別れの手紙」って…、不倫の映画か?何か?みたいですよね。どうして、男のロマンを追った革命家の過激な一生の映画が、そんな湿っぽい邦題なのか…??、まるで意味がわかりませんが、邦題のせいで、映画がコケて、3本めが出来なくなったら、どうしよう…?!と心配になります。ちなみに、ゲバラがコンゴにいたのは、37歳の時。もし、3本めが出来たら、「チェ 37歳の旅立ち」とか、そんな邦題?にでもなるんでしょうか…?!、大河映画「チェ」2部作の前編「アルゼンチン」のポスターはコチラ、予告編はココです。
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