インドからの巨額資金で独立のスピルバーグに、ハリウッドが反発?、新作「タンタン」からユニバーサル撤退で製作中止の窮地!!

タンタンの冒険
スティーヴン・スピルバーグ監督と、ピーター・ジャクソン監督(「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ)という、2人のスーパー映画監督が、恐らく、新人の駆け出し時代以来初めてではないか?と思われる、映画会社から「ノー」を突きつけられ、映画の製作費が集められず立ち往生という異様な事態が起きていることを、ロサンゼルス・タイムズが大きく報じています。スピルバーグ監督とピーター・ジャクソン監督の2人の名前が揃えば、映画ファンの方はすぐに、あぁアレか…っと察しがつくと思うのですが、ベルギーの漫画家エルジェの人気コミック「タンタン」の映画化です。2人のスーパー監督がタッグを組んだ「タンタン」は、モーション・キャプチャー技術を採用し、撮影した俳優の動きを3-D のCGアニメに置き換える作品で、主役の少年の新聞記者タンタンを演じる主演俳優として、ヒュー・グラントの親戚で、テレビ・シリーズの「ヒットラー」(2003年)で、後に独裁者となる少年ヒトラーを演じ、その才能が見出されたイギリス人のトーマス・サングスターが決定し、リハーサルに入っています。この「タンタン」は3部作のトリロジーとして企画されており、第1弾をスピルバーグが監督し、第2弾をピーター・ジャクソン監督、そして、第3弾を両者が仲良く共同監督する方針で進められています。そのシリーズ第1弾の撮影は、早くも来月10月からスタートする予定と発表されていたので、ロサンゼルス・タイムズの「タンタンが暗礁に乗り上げたという記事は、業界に大きな波紋を広げています。実際に「タンタン」に「NO」と言い、出資を拒否して、製作から撤退してしまったのは、スピルバーグ監督のそもそものホームグラウンドで古巣の映画会社ユニバーサルです。「タンタン」第1弾を製作するには、1億3千万ドル(約139億円)の資金が必要とされており、そのうちの3千万ドルを、スピルバーグ監督の映画会社ドリームワークスが傘下に入り、業務提携しているパラマウント映画が企画開発費として出資していますが、そのお金は、脚本の完成や、テスト撮影などの下準備のための費用として、すでに使ってしまっています。そのため、両監督が必要となるのは、実際の映画本編を撮影し、製作するための資金1億ドル(106億円)ですが、それについては、パラマウント映画は出資できないとし、他社からスピルバーグ監督らが出資を集めることを求めています。その残額1億ドルの引き受け先として、ユニバーサル・ピクチャーズがあった訳ですが、ユニバーサルが撮影開始の間際になり、最終的に撤退の道を選んだのは、当たり前ですが、「タンタンはヒットせず製作費を回収できないと判断したからです。このユニバーサルの意思決定の背後には、先のリーマン・ブラザースの倒産など、アメリカ金融市場の不穏な動きから、経済動向への懸念があったなどといった大局的な経済論を持ち出している反応記事なども見られますが、ユニバーサルが「タンタン」のマイナス材料として、大きく懸念したのは、スピルバーグとピーター・ジャクソンという、2人のスーパー監督の名を同時に冠することで、この「タンタン」完成後の興行における、両監督の興行収入からの歩合の取り分が大きくなりすぎる単純に2倍になってしまい、ユニバーサル自体にとっては利益が出なくなってしまうからだと言われています。ユニバーサル・ピクチャーズとしては、自社の利益が出る損益分岐点の数字を、試算で4億5千万ドルとはじき出しており、その数字を超えて以後から、初めて「タンタンは同社にとって利益をもたらす映画になると位置づけています。このトータルで4億5千万ドルを売り上げるというのは、どういうことかと言うと、「オーシャンズ11」(2001年)が、国内外の興収を合わせて、ちょうど4億5千万ドルを売り上げているのを始め、「300」(2007年)、「ラストサムライ」(2003年)、「ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記」(2007年)などが近似値の数字を上げており、それらと同等の規模のヒットが要求されるということになります。それらの作品の名前から受ける印象は、大ヒット映画というよりは、中の大ぐらい?のヒットかな?ではないでしょうか。そう考えると、そういった作品らを遥かに凌ぐ大ヒットを連発しているスピルバーグ監督や、ピーター・ジャクソン監督には、「タンタンをそれらと並べることはそんなに難しそうには見えません。しかしながら、そういった普通の実写映画とは異なる、3-D のCGアニメとなる「タンタン」と似たスタイルの映画となると、ロサンゼルス・タイムズの記事の中で上げられている、ユニバーサルが参考として比較したらしい、「ポーラー・エクスプレス」(2004年)は約3億ドル、「ベオウルフ/呪われし勇者
(2007年)は1億9,623万ドル、「モンスターハウス」(2006年)に至っては、さらに低く、1億4千万ドルしか、それぞれ世界全体で売り上げていません。そうなれば、1億3千万ドルの製作費を投入する「タンタン」は、2人のスーパー監督の名前で(「ポーラー・エクスプレス」、「べオウルフ」も、ロバート・ゼメキスというスーパー監督作)、いくらかは先の数字に上乗せされたとしても、とうてい黒字にまで結びつけるのは困難で、リスクが高すぎるとして、ユニバーサル・ピクチャーズは手を引くことになってしまった訳です。ロサンゼルス・タイムズによれば、スピルバーグ監督とピーター・ジャクソン監督は、すでに先月末に、パラマウント映画のチェアマンブラッド・グレイ氏をはじめとする、10人のトップ重役らを集めたプレゼンテーションを行い、そこで約10分間のタンタンのサンプル映像を披露し、追加の出資を求めたとのことで、パラマウント側の回答次第により、スピルバーグ監督は予定通りに、来月10月からタンタンの撮影に入れるか?どうかが決まるだろうと結んでいます。
スティーヴン・スピルバーグ
…が、気になるのは、このロサンゼルス・タイムズの記事呼応するかのように、スピルバーグ監督のドリームワークスが、ついにパラマウント映画の傘下から独立することになったという記事が、映画の業界メディアに踊っていることです。これはかねてより、スピルバーグ監督が、インドのマハラジャ財閥リライアンス・ADA・グループから、全額で約1,000億円余りもの巨額融資を受け、新たな映画会社(名前はドリームワークスのまま)を立ち上げる交渉がまとまったというもので、この資金により、スピルバーグ監督はこれまでパラマウントから得ていた資金に頼ることなく独自に映画製作を進められることになり、創造上の自由に加えて、これまでパラマウント映画に搾取されてきた利益の大部分をも独占できることになります。ドリームワークスは、現在、パラマウント映画の収益の3分の2近くを稼ぎ出していると言われていることから、独立後も、これまでのようにヒット作を放てれば、いずれパラマウントやユニーバーサルらと並び立つハリウッドのメジャー・スタジオの一角に立てる可能性が出てくることになります。スピルバーグ監督は、自らの手でメジャー・スタジオを立ち上げ、ハリウッド全体の勢力図を描き変えるという、この最後の野望を叶えるための実績作りとして、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」(2008年)のようなゴミ映画まで、金儲けのために作り、スクリーンにポップコーンを投げつけられるという最低の屈辱にも甘んじてきた訳ですが、反面、その「インディ・ジョーンズ4」で、映画監督としの信用と人気は下落してしまいました。もしかすると、ユニバーサルが「タンタンを拒否した背景には、そんなスピルバーグ限界説の、もはや神通力はないといった風説も影響しているのかもしれません。今回のスピルバーグ監督ピーター・ジャクソン監督が「NOを突きつけられた事件の背景に、インド資本をハリウッドのメイン・ストリームに招じ入れたことを掟破りとする業界の反発があるのか?までは、どんなカネでも呑みこむハリウッドですから(むしろ、外資を取り込んだ救済者?)、容易には結びつけられませんが、少なくとも自分たちはスピルバーグ監督から見限られた形のパラマウントの重役らが、今さら気分よく、「タンタン」の残りの製作費1億ドル(約106億円)を拠出するか?微妙なところです…。しかし、パラマウント映画は表向きだけか?どうかはわかりませんが、スピルバーグ監督の新会社立ち上げを祝福するコメントを出し、パラマウントと雇用契約のあるドリームワークス関係者らを引き止めたりなどせず自由にすると協力的な姿勢を見せています。この「タンタン事件がどうなるのか?、後日、また続報をお届けします。
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