映画を作るたびにトラブルに見舞われる監督テリー・ギリアムの悪運(※)が、主演俳優ヒース・レジャーの死という、絶対にあってはいけない形で出てしまった最新作「パルナッサス博士の幻想劇場(The Imaginarium of Doctor Parnassus)」(邦題はまた勝手につけちゃいました)が初公開した動画です。冒頭部分では、テリー・ギリアム監督の「バンデットQ」(1981年)、「未来世紀ブラジル」(1985年)、「フィッシャー・キング」(1991年)、そして、ヒース・レジャーが主演した「ブラザーズ・グリム」(2005年)といった、過去の幻想的な傑作の数々を紹介し、途中でテリー・ギリアム監督自身が登場する以後の後半では、先の傑作すべてを超える幻想アドベンチャーの新作「パルナッサス博士の幻想劇場」がどんな映画か?、実際の本編の映像や、絵コンテ、セットのモデルといった映画製作の舞台裏も垣間見せながら、その様子を披露してくれています。「サウンド・オブ・ミュージック」(1965年)の名優クリストファー・プラマーが演じている本作の主人公として、タイトルに名前も使われているパルナッサス博士は悪魔との賭けに勝ち、不老不死を手に入れ、すでに千年以上も生きているという奇妙な人物。その彼が主宰している、不思議な鏡を使って、他人の想像の世界を巡る体験を売り物にしている劇場が映画の舞台となっています。物語としては、死にはしないまでも老いて、醜くなっていくパルナッサス博士が、若い女性に恋をしたことから、自分の不老不死を放棄することを条件に、悪魔と取引きし、若返ることを願います。しかし、悪魔は不老不死だけではなく、女性と結婚した後、生まれてくる子どもの魂までをも差し出せと、パルナッサス博士に求めるのでした…。と言うことで、要するに、ゲーテの「ファウスト」を、テリー・ギリアム流に翻案し、持ち前の絢爛な幻想絵巻で魅せようという映画ですね。ヒース・レジャーの役を引き継いだ、ジョニー・デップ、コリン・ファレル、ジュード・ロウは、鏡の世界の幻想の旅の場面で、ヒース・レジャーの異なる別次元での姿といった設定で登場することになります。悪魔を演じてるのが、ミュージシャンとしてカリスマ的な支持を集めているだけでなく、俳優としても、ジム・ジャームッシュ監督の「ダウン・バイ・ロー」(1986年)や、「コーヒー&シガレッツ」(2003年)などで活躍のトム・ウェイツという点も見逃せません。トム・ウェイツは、テリー・ギリアム監督とは「フィッシャー・キング」以来ですね。テリー・ギリアム監督は、ヒース・レジャーの前作で、歴史的大ヒットの「バットマン/ダークナイト」(必見公開中)について、製作のワーナー・ブラザースを「人の死に水で大儲けの鬼畜な映画会社」と批判したり、ヒース・レジャーがその「ダークナイト」の演技で、次回のアカデミー賞で助演男優賞が確実視されてることも、「死人に賞を与える話題作りは不謹慎な行い」といった風に斬り捨てるなど、もしかして、ヒース・レジャーの演技力を認めてないの?といった発言をくり返したことで世間からブーイングを浴びましたが、この「パルナッサス博士の幻想劇場」は、やはり、来年2009年のオスカー・シーズンなど、再び、ヒース・レジャーに注目が集まる時期に公開されるのではないでしょうか?!、興行的には常に苦しいテリー・ギリアム作品を配給する会社としては、きっと、そうしたいだろうと思います。日本での公開時期も未定ですが、すでに日本の配給会社ショウゲートが権利を得ているので、確実に2009年中に映画館で観られるはずと思うので、監督・出演者、それぞれのファンの方は安心していいと思います。また後日、ポスターなどリリースされたら、紹介します。ヒース・レジャーも天国で、この悪魔映画の完成を楽しみにしてると思います。
(※問題のない映画が、テリー・ギリアム風のトラブルをデッチあげる宣伝スタイルが横行してるので騙されないようにご用心)
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日別アーカイブ: 9月 13, 2008
ボンド・シリーズ最新作「慰めの報酬」の報酬はコカ・コーラZERO!!、ジャック・ホワイト作曲の007のテーマをお聴きください!!
http://www.movieweb.com/v/V08I25fklnosCW
世界最速で10月31日に映画が公開されるイギリスでオンエアされている、ジェームズ・ボンド最新作「007/慰めの報酬」をフィーチャーしたコカ・コーラ・ゼロのCMです。007映画でおなじみのタイトルバックをイメージさせるような映像に、新作の主題歌を担当するホワイト・ストライプスのジャック・ホワイトによる音楽が重なっています。ジェームズ・ボンドのテーマを少しアレンジしているところが、ファンにはうれしいですね。主題歌“Another Way to Die”では、ジャック・ホワイトは、アリシア・キーズとユニットを組み、デュエットで歌うことになります。日本での「007/慰めの報酬」の公開は2009年1月ですが、年末年始のテレビでは、こういったタイアップのCMが観られるのでしょうか?!、しかし、ボンドはやはり ↓ 、コーラではなく、マティーニをお召し上がりのようですね。シェイクして作らなければなりません。
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