スパイク・リー監督のクライム・ムービー「インサイド・マン」の続編は、「ホテル・ルワンダ」に立て籠もり?!

インサイド・マン-スパイク・リー-デンゼル・ワシントン
大傑作誕生の予感しかさせない最新作の戦争映画セント・アンナの奇跡」(必見の予告編はココ)を披露するため、カナダトロント国際映画祭にやって来た、スパイク・リー監督が、同監督のキャリアの中では珍しい部類に入る、世の中への批判精神を引っ込め娯楽に徹した2006年のクライム・ムービーインサイド・マン」の続編インサイド・マン2」について、カンタンに語っているので、お知らせしておきます。「インサイド・マン」は、クライヴ・オーウェンのリーダー率いる銀行強盗グループ人質を使った巧妙な立て籠もり作戦と、NY市警のネゴシエーターデンゼル・ワシントン騙しあいの対決をするという内容で、映画の売りであるクライマックスの誰も驚かない驚愕のオチのトリック”を除けば、まぁ、概ね、おもしろいという珍しい?作品です。幕切れの、ちょっとシャレたラストシーンには、またクライヴ・オーウェンとデンゼル・ワシントンの対決が観たい!!と思った方も多いのでは?!、スパイク・リー監督の構想では、「主要な出演者とキャラクターはそのままに舞台を変えて主人公2人の新たな緊張を描く」と言っているので、先のように思われた方には打ってつけの続編となりそうです。スパイク・リー監督は、肝心の物語の中身は秘密にしていますが、この続編の脚本を、日本でも最新作の「帰らない日々」(2007年)が公開された、「ホテル・ルワンダ」(2004年)のテリー・ジョージ監督に執筆してもらえるよう依頼し、交渉中と明かしています。テリー・ジョージ監督は、今でこそ監督と後ろにつきますが、かつては、「父の祈りを」(1993年)、「ボクサー」(1997年)など、ジム・シェリダン監督の名作の脚本家として知られていた人で、「父の祈りを」と「ホテル・ルワンダ」では、オスカーの脚本賞にもノミネートされています。スパイク・リー監督は、前作を執筆した「ラッセル・ゲワーツの脚本が悪かったわけではないけれど…」と、前置きながらも、「もう少しクオリティを高めたい」として、テリー・ジョージ監督に依頼したそうです。誰も驚かないオチではダメだと、スパイク・リー監督も思っていたのでしょうか?!、しかし、スパイク・リー監督は、テリー・ジョージ監督と一緒に脚本を自分も書くつもりのようなので、この2人のコンビであれば、続編エンタテインメントでありながらも、何らかの社会的なメッセージや、もっと人間を描くドラマ的な要素が深まりそうですね。スパイク・リー監督は、「これは大きな期待がかけられる続編映画の一本になるだろう」と結んでいるので、その言葉通り期待を膨らませつつ待ちたいと思いますが、まずは早くセント・アンナの奇跡が観たいですッ!!

さらばッ、ジャック・バウアー!!、「24」シーズン7は24時間闘えず、18時間めで製作中止!!

キーファー・サザーランド
UPDATE: 撮影は10月9日から再開!!、24時間闘えるみたいです。やっぱり、最初から、そこまで言っとかないから、ついに、もう終わりか…?!となっちゃったので、EWの記事にも、再開日が加筆訂正されました
キーファー・サザーランド主演の大ヒット・テレビシリーズ「24 -TWENTY FOUR-」が、現在、進めているシーズン7の製作を、エピソード18を撮り終える今月9月15日を持って、一旦終了すると、エンタテインメント・ウィークリーを通じて発表しました!!、製作を中止する理由については、次のシーズン8へとつながるクライマックスのエピソードのシナリオに問題があり、書き直しの時間を要するからと、プロデューサーハワード・ゴードンは、後日再開する含みを持たせた説明をしています。しかし、それに対し、業界を含めた世の中の見方は、雑誌も廃刊とは言わず休刊と言って終わるからなぁ~といった冷ややかなものとなっているようです。「24 -TWENTY FOUR-」シリーズは、昨2007年末から今年2月まで続いた全米脚本家組合ストライキ影響をモロに被った作品と言われており、おかげで前シーズン6の終了から、1年半のブランクを作るハメになり、視聴者から忘れかけられつつあるのに加え、前シーズン6が、“もはや、「2424のパロディにしか見えない”と酷評され、視聴率も伸び悩んだことで、再開を危ぶむ声が囁かれていました。そのため、シリーズを風化させないために、この製作中止となるシーズン7の2009年1月放送開始までのつなぎとして、11月アメリカではシリーズ初となる2時間版のスペシャルドラマ24:エグザイル」を放送することが決まっています。この「24:エグザイル」は、テロからアメリカを守るというシリーズの基礎的な枠組みから外れて、ジャック・バウアーが友人のために、南アフリカで子どもたちをクーデターから守るという新機軸が打ち出されており、このスペシャルドラマのエンディングが、シーズン7の24時間の始まりへとつなげられる構成となっています。いずれにしろ、シットコムなど、セットひとつあれば済むようなドラマならまだしも、本作のようにアクションが連続する内容の撮影途中でストップし、解散するというのは、次に再開がかなり困難になるのを覚悟してのことなので、「24 -TWENTY FOUR-の内容とスタイルシリーズの寿命が、かなり限界に来てしまったことを、あからさまに露呈することになってしまいました。然るに、もう無さそうなシーズン8への構想のために休むと言われても…、誰も信じないのは仕方ないですね。尚、シーズン7は、何話になるのか?!分かりませんが、アメリカでは予定通り放送されるとのことなので、ファンの方は、ひとまず、ご安心ください。又、本シリーズは、今後は映画として継続という声が以前から上がっていますが、同じ20F世紀OX製作のかつての人気ドラマⅩ-ファイル」が今夏、映画として復活したものの、ものの見事に見向きもされず赤字を出して終わっているので、「24 -TWENTY FOUR-」の映画化前途は厳しいのでは?!、むしろ、よくぞワンパターンな内容で、シーズン7まで続いたなぁ!!ホメてあげたい気もするのですが、ジャック・バウアー的には、まだ一週間?!、ま、とりあえずは、お疲れさまでした!!ということでッ!!

ア然!!、「スクール・オブ・ロック2」なんてハナから誰も作らないよ!!と、リチャード・リンクレイター監督からの残念なお知らせ!!

スクール・オブ・ロック-ジャック・ブラック
7月に、ココ製作決定と伝えた、ジャック・ブラック代表作傑作コメディスクール・オブ・ロック」(2003年)の続編スクール・オブ・ロック2/アメリカ・ロックス」のメガホンを、前作のオリジナルに引き続き、取るはずのリチャード・リンクレイター監督が、自身の最新作ザック・エフロン主演の「ミー・アンド・オーソン・ウェルズ」を携えて乗り込んだカナダトロント国際映画祭で、「そんな話は無いよ!!」と記者らに真相を語りました!!、この「スクール・オブ・ロック」の続編企画は、初めにジャック・ブラック自身が、今年5月カンヌ映画祭での「カンフー・パンダ」のインタビューで、取材の記者らに対し、「そういう話があるんだけど迷ってるんだどう思う?」と口火を切ったもので、その後、前作…と言うか、オリジナルの脚本家マイク・ホワイトが、恐らく本人は実際に書いたのだと思われる続編の内容を明かし、一気に真実化を帯びたものです。ジャック・ブラックは、その後、アメリカに戻り、また別の取材の中で、「『スクール・オブ・ロックの続編はどうなるのですか?」と聞かれ、「続編はダメというセオリーに乗るのは嫌なのでオリジナルの監督リチャード・リンクレイターが引き受ければ自分も出ようと思う」と、言わば、映画を製作するパラマウント映画に対し、逆条件を出した形の発言をしました。そして、7月になり、“リチャード・リンクレイター監督ジャック・ブラック主演でスクール・オブ・ロック2/アメリカ・ロックス製作決定!!”というニュース権威ある業界メディアで報じられ、一斉に各メディアが追随して伝え、以来、映画が作られるものと、誰もが信じていました。しかし、リチャード・リンクレイター監督は、この件に関し、「パラマウント映画とは電話で一度きり少し話しただけ」とのことで、「自分はまるで無関係なのに業界メディアで自分が監督で製作決定と発表され驚いた」と正直に言っています。リチャード・リンクレイター監督は、「たぶんスクール・オブ・ロックの続編はあり得ないと思うよ」と語り、「自分は映画の続編には懐疑的…」と述べているので、みなさんが愛してくれてるオリジナルのスクール・オブ・ロックをくり返して観てね、と言うことですよね。続編製作決定のニュース楽しみを膨らませていたファンの方には気の毒ですが、リチャード・リンクレイター監督のおっしゃるように、オリジナルの映画を大切にしてあげてください。ちなみに、根も葉もないデタラメのニュースを流し、その後、訂正報道も出さなかった権威ある業界メディアは言うまでもなく、バ〇エティですね。それにしても誤報がチョクチョクありすぎるバ〇エティは、もしかして、映画会社から頼まれて、マーケティング調査のために偽情報でも流しているの?!、と言うのも、「スクール・オブ・ロック2/アメリカ・ロックス」は、映画サイトなどが行なった期待度調査の統計で、95%が不要で観たくないとし、観たい人は5%だけという結果が出されています。要はこれを知りたかったと言うことでしょうか?!製作決定のニュースが嘘だったことにムカついた人は、バ〇エティ の中に “ ” でも入れてあげてください…

トム・クルーズが実在の猟奇殺人鬼を追う「モンスター・オブ・フローレンス」を映画化!!、演じるのは追う側?、それとも追われる殺人鬼?!

トム・クルーズ-コラテラル
トム・クルーズと彼の映画会社ユナイテッド・アーティスツが、今年6月に出版されたばかりのダグラス・プレストンマリオ・スペッツィとの共著によるノンフィクションモンスター・オブ・フローレンス」(The Monster of Florence)の映画化権を取得しました。ダグラス・プレストンは、「海賊オッカムの至宝」といった冒険小説の邦訳が出版されている娯楽作家ですが、映画ファンの方には、ピーター・ハイアムズ監督の1997年モンスター・ホラー映画レリック」の原作者ですよと言った方がわかりやすいですね。さて、トム・クルーズが主演するかもしれない「モンスター・オブ・フローレンス」は、2000年に、かねてより憧れの地であるイタリアのフローレンスに一家で引越したアメリカ人のダグラス・プレストンが、現地1968年から1985年にかけて、相次いで発生した、有名な殺人鬼フローレンスのモンスター”による未解決の残忍な連続殺人事件取材した一部始終の驚くべきノンフィクションです。当初はフィクションスリラー小説のネタにするつもりで取材を始めたダグラス・プレストンは、イタリア人のジャーナリストマリオ・スペッツィと出会います。マリオから、実はダグラスの自宅の敷地内である目前のオリーブ畑がフローレンスのモンスターによる猟奇的な殺人現場(↓写真は事件の別の殺人現場)のひとつだと教えられ、がぜん因縁めいたものを感じたダグラスは、マリオとコンビを組むことに。そして、懸命な調査・取材の末、ついに2人は容疑者をひとりの男性に絞り込むことに成功し、果敢にもその殺人鬼かもしれない男性へのインタビューを試みます。すると、その男性は“フローレンスのモンスターの殺人事件について、極めて詳細に現場にいたかのように知っていて、明らかにその彼こそが連続殺人鬼フローレンスのモンスターだと確信を得ます。ところが、事件解決を目前に、驚くべきことにイタリアの警察はダグラスのパートナーマリオをフローレンスのモンスターとして逮捕し、ダグラスには、国外に退去せよさもなくば…脅迫を仕掛けてきます!!、いったい、“フローレンスのモンスターの連続殺人の背景には何が隠されているのか…ッ?!
モンスター・オブ・フローレンス-1
…ということで、ダグラス・プレストンは、スリラー小説を書くはずが、犯人?を突き止めてしまい??、なのに、バートナーが連続殺人鬼として投獄?、そして自分までフローレンスのモンスターにされかける?という、まさに事実は小説より奇なりとなったことで、ノンフィクションとして書くしかなくなった訳ですね。いかがでしょう?!、あらすじを聞くだけでも、とりあえず、本の邦訳も早く出してくれ!!という感じですが、トム・クルーズにとっては、完全復活を果せるような傑作に仕上がりそうな題材ではないでしょうか?!、トム・クルーズは、このノンフィクションの脚本化をすでに、彼の最新主演作である戦争スリラーのいろんな意味での問題作ワルキューレ」のシナリオを書いたクリストファー・マッカリーに依頼しています。クリストファー・マッカリーは、その「ワルキューレ」のブライアン・シンガー監督の出世作ユージュアル・サスペクツ」(1995年)の脚本を書いた人で、言わばコンビなので、トム・クルーズは、この「モンスター・オブ・フローレンス」も、ブライアン・シンガー監督のメガホンを想定しているのではないでしょうか?!、トム・クルーズは、学食のコックを演じる、ヘボそうなコメディフード・ファイト」や、落ち目監督のサム・ライミと組むコミック・ヒーローの映画ザ・スリーパー」など、複数の企画を抱えていますが、この連続殺人鬼といったスリラーで、エンタテインメントな題材を中心に据えながら、イタリアの裏社会の暗部や、冤罪といった社会的なテーマにまで通じていく実話のストーリーは、これまでに発表された企画の中では、飛びぬけて決定打を放っていると思います。数々の名作をものにしているトム・クルーズですが、やっぱり、素材選びの眼力は確かなようですね。昨日、ココで紹介したように、マット・デイモン連続殺人鬼の実録ものトルソー」を、「ゾディアック」(2007年)のデヴィッド・フィンチャー監督と作ることが決定していますし、そういった似た題材の映画との相乗効果も、トム・クルーズの本作には追い風になりそうです。トム・クルーズはともかくこのフローレンスのモンスターを最優先で映画にすべきですッ!!、ただし、トム・クルーズがあまり作家には見えないのが難点ですが…、もしかして、モンスターの連続殺人鬼を演る?!

最新作「スパイダーマン4」と「スパイダーマン5」の2009年秋撮影スタートが決定!!、悪役はトカゲ男のリザード?!

スパイダーマン-トビー・マグワイア-キルスティン・ダンスト
昨日、ココで「ゴーストバスターズ」(1984年)の25年ぶりの復活が半ばなし崩し的に明らかとされたソニー・ピクチャーズが、すでにエキストラの出演権などをチャリティ・オークション競売している(ココ)、同社の看板映画スパイダーマン」の最新作となる第4弾スパイダーマン4」の撮影2009年秋から行なうと明らかにしたばかりか、同時に「スパイダーマン5も撮影することがわかりました。気になる監督とキャストですが、ひと事で言えば、何の変化も無しです。「スパイダーマン3」(2007年)をめぐり、ソニー・ピクチャーズとの間で確執があったと噂され、以後の「スパイダーマン」シリーズは製作者としてだけ関わり、監督はもう降りると高々と自分で宣言したサム・ライミが、前言撤回で舞い戻ることになりました。サム・ライミ監督と、主演のスパイダーマンこと、トビー・マグワイアはすでに、それぞれがソニー・ピクチャーズとの間で、シリーズの追加分4」「5」に関しての契約を交わしたとのことです。スパイダーマンの恋人メリー・ジェーンキルスティン・ダンストは、まだ契約を交わしていませんが、出演はほぼ決定的だそうです。注目される悪役についてはハッキリ明かされていませんが、「すでに皆さんご存知ですよそのご存知の人が悪役になります」とだけ、ヒントが与えられています。その言葉からの推測として、「2」(2004年)と「3」に出演したディラン・ベイカー(↓)のカート・コナーズ博士が、爬虫類のモンスターリザード(↓)に変身するものと見られています。カート・コナーズ博士は、「2」では悪役のオットー・オクタヴィアス(アルフレッド・モリーナ)の親友だった人で、「3」ではヴェノムの正体を分析するなど、ピーター・パーカーの味方だったキャラクターです。すでにシリーズに登場の人物から悪役を探すとなると、「2」で、スパイダーマンから恋人メリー・ジェーンを奪いかけていたダニエル・ギリス宇宙飛行士ジョン・ジェイムソン狼男マンウルフに変身の可能性もあるのですが、ダニエル・ギリスでは、本人の俳優としてのキャリアから見て、「スパイダーマン」シリーズの悪役には力不足ではないか?!(日本映画に出てますから…)と考えられ、ディラン・ベイカーのリザードが最有力視されています。しかしながら、シリーズ復活で「4」と「5」を同時撮影するのには、製作費節約の目的が当然、大きい訳ですが、ジェームズ・ヴァンダービルト(「ゾディアック」2006年)の書いた脚本が、映画2本にまたがる連続ストーリー的なものだからという理由もあるようなので、「3」でサンドマンとヴェノムという2人(2体?)の悪役が出てきたように、もしかすると「4」「5」もダブル悪役なのかもしれません。ともあれ、撮影開始まで、まだ1年もあり、仮に新たに別の悪役を製作者らが考えていたとしても、現時点でネタを明かしてしまう訳にはいかないでしょうから、続報に期待したいと思います。しかし、本来なら、こうした大ヒット・シリーズの続編製作決定はよろこぶべきことでしょうが、ソニー・ピクチャーズは、多くのファンが「スパイダーマン3」を失敗作と見なし、監督交代・キャスト見直しを望む声を完全に無視した形でのシリーズ継続なので、それらをキチンと思慮した上での判断なのか?、それとも単にアホのひとつ覚えか?、「スパイダーマン4の仕上がりが期待されます。と言っても、失敗しても、同時に5も撮っちゃう訳だから、取り返しはつかないですけどね…。また、ソニー・ピクチャーズの方針としては、歴史的大ヒットバットマン最新作ダークナイト」(必見公開中)のリアリティ重視のヒーロー映画スタイルには影響されず、「スパイダーマン」シリーズは従来通りのトーンで行くとのこと。言葉を変えれば、変わり栄えしない映画ですよと言う意味にもなり、新鮮な期待を大きくはかけないでくださいねと言っちゃったも同然なのですが…。最新作スパイダーマン4」は2011年の、たぶん5月あたりに全米公開予定です。
スパイダーマン4-ディラン・ベイカー-リザード