*数字は、週末の興行成績-(公開館数)-トータル成績 の順です。
第1位 第2位 第3位 第4位 第5位
第1位「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」(11月15日公開)
$26,000,000-(3,319館)-$37,033,000
第2位「ダークナイト」(公開中)
$16,790,000-(3,590館)-$471,493,000
第3位「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」(8月23日公開)
$15,505,000-(3,452館)-$15,505,000
第4位「ミラーズ」
$11,125,000-(2,664館)-$11,125,000
第5位「パイナップル・エクスプレス」
$10,000,000-(3,072館)-$62,932,000
第6位 第7位 第8位 第9位 第10位
第6位「ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝」(公開中)
$8,609,000-(3,363館)-$86,649,000
第7位「マンマ・ミーア」(2009年公開)
$6,498,000-(2,771館)-$116,415,000
第8位「旅するジーンズと19歳の旅立ち」(公開中)
$5,930,000-(2,714館)-$2,147,000
第9位「ステップ・ブラザース」
$5,000,000-(2,648館)-$90,888,000
第10位「ヴィッキー、クリスティーナ、バルセロナ」
$3,710,000-(692館)-$3,710,000
★バットマン最新作「ダークナイト」が5週めにして首位から陥落し、第2位に下がるも、アメリカ歴代映画興行ランキングでも第2位という偉業を達成!!、これまでの第2位「スター・ウォーズ」(1977年)の4億6,099万ドルを抜き、4億7,149万ドルを稼いで、実に30年ぶりに記録を書き変えた!!、それにしても、「スター・ウォーズ」は、それだけ稼ぐのに44週間=11ヶ月もかかっているので、それをたった5週間で超えた「バットマン/ダークナイト」は本当にトンデモナイ映画と驚くしかない。なので、もしも、「スター・ウォーズ」のようにロングラン興行を続けたなら、歴代第1位の稼ぎ頭「タイタニック」(1997年)の6億ドルを抜ける可能性はあるのかもしれないが、現在の映画産業では、公開半年後にはDVDリリースというのがお決まりのスケジュールになっていて、「バットマン/ダークナイト」もアメリカでは12月初旬にクリスマスのギフト・シーズンを見越し、DVDリリースが予定されている。だから、それまでに興行は打ち切られるはずなので、5億ドルの壁は越えるだろうが、いったい、どこまで数字を伸ばせたものか?!、見届けきれないのは残念。「E.T.」(1982年/歴代第5位=4億3511万ドル)が1年以上も映画館で上映され続けたのは、遠い過去のようですね…。
★アホでハレンチな戦争コメディ映画「トロピック・サンダー」が、ベン・スティラー、ロバート・ダウニー・Jr、ジャック・ブラックの主演トリオに加え、トム・クルーズも加勢した4人がかりで、「バットマン/ダークナイト」を1位から引きずり降ろし、初公開で首位をゲット!!、その不道徳な描写に問題アリとして、知的発達障害者の支援団体などからボイコット運動(ココ)を起こされながらも、見事にトップに立った訳だが、13日(水)からの興行のトータルが3,700万ドルでは、少し期待を下回っているのでは?!、映画の内容は、製作費の無くなった戦争映画のスタッフが、本物の戦場でゲリラ撮影を敢行するというビンボーなお話でも、本作自体は製作費に9,200万ドルもつぎ込んでおり、かなりの大作と呼べる代物。R指定の大人向け作品で、実際に観客のほとんどが25歳以上の主に男性ということで、今後も観客層に大きな拡がりが期待できないことから、映画館の興行では、製作費の回収が関の山となってしまうかもしれない。やっぱり、知的障害者差別の映画というレッテルは痛かった?!
★「スター・ウォーズ」シリーズの新作のアニメ「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」が第3位に着けるも、数字を見てもらえば、「スター・ウォーズ」のファンは、これを「スター・ウォーズ」とは思っていないことは一目瞭然。
★第4位に、キーファー・サザーランドのホラー映画「ミラーズ」が登場!!、ホラー映画のランクインは、実に6月末のリヴ・タイラー主演の「ストレンジャーズ」以来で(M・ナイト・シャマランの「ハプニング」はコメディ)、ホラー映画に飢えていたファンが集中し、思ったよりも好スタートを切ることができた。「24 -TWENTY FOUR-」のシーズン7(予告編)も始まるし、キーファー・サザーランドにとっては、復活に向けての露払いとなった感じ。
★「パイナップル・エクスプレス」は、観客層の思いっきりカブッている「トロピック・サンダー」の公開で、売上げを一気に57%もダウンさせ、先週の第2位から、第5位まで転げ落ちた。しかしながら、大作の「トロピック・サンダー」とは異なり、2,700万ドルの低予算な本作は、トータルですでに、その製作費の倍以上の6,293万ドルを稼いでいるので、とりあえずは御の字と言ったところ。むしろ主演した、「スパイダーマン」シリーズのジェームズ・フランコの新たな魅力を開花させ、世間に伝えた本作は、今後、ジェームズ・フランコ主演作でのヒット展開の可能性を映画界に残したことで、評価済みの俳優ばかりを無難にそろえた「トロピック・サンダー」よりも、果した役割は大きかったと評価されそう。
★第7位のミュージカル映画「マンマ・ミーア!」は、先週の第6位からワンランクダウン。しかし、その下げ幅が20%と小さい、ゆるやかな下降で、本当に支持されている人気作であることがわかる。同時に公開館数も423館減少していることを踏まえれば、ま、売上げは横ばいの現状維持と言った感じですね。年間チャートでは現在、第13位ですが、最終的にも年間ベスト20の中には留まりそう。
★第8位の「旅するジーンズと19歳の旅立ち」は、ティーンの女の子の観客が主かと思いきや、なぜか?、母と娘のカップルの観客が多いことが意外視されている。親子の問題もテーマに含んだ本作は、確かに親子で観るにふさわしい映画だが、お母さんも一緒に映画館に来るとは、あまり想定していなかったので、そこが前作以上のヒットにつながったと分析されている。日米同時公開で、日本でもすでに封切られてるため、そういったデーターを日本の興行で、即座に活用することはできないが、今後、DVDリリースなどでは“母と娘の映画”としてアピールしてもいいかもしれない。
★第10位の、ウディ・アレンの初公開の最新作「ヴィッキー、クリスティーナ、バルセロナ」(予告編はココ)は、わずか692館という桁の違う限定公開のような上映館数に着目してもらえば、いかにお客さんを集めているか、ウディ・アレンの衰えない人気に驚いてもらえるのでは?、単館ベースの平均の売上げでは、実はこの「ヴィッキー、クリスティーナ、バルセロナ」が、1館あたりで5,361ドルを稼いでおり、第1位「トロピック・サンダー」の7,833ドルに次ぐ、第2位に浮上してしまいます。ただし、その単館のアベレージ・ランキングでは、先週末、たった2館で初公開された、クロード・シャブロル監督(「主婦マリーがしたこと」1988年)のフランス映画「ア・ガール・カット・イン・ツー」(Fille coupée en deux, La=2つに切断された娘)が、1館で9,750ドル売り上げており、「トロピック・サンダー」を凌いで、第1位です。この「ア・ガール・カット・イン・ツー」は、1906年にニューヨークで起きた殺人事件をヒントにした映画で、テレビニュースでおなじみのお天気お姉さんのヒロイン、ガブリエルが、30歳以上も年上の不倫相手の作家と、ガブリエルに執着している若き大富豪との間で、“引き裂かれていく”というお話です。次回作では菊地凛子ちゃんを主役にしてくれるらしい(ココ)イザベル・コイシェ監督の卑猥な映画「エレジー」(予告編はココ)も、9,000ドルでアベレージ・ランキング第2位なので、どうも、ヒーロー映画ブームの陰で、実はこっそりと情痴映画の波が来てるようですね。それではオマケに、そのフランス映画「ア・ガール・カット・イン・ツー」の予告編をご覧ください。
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