6月に、ココで、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」が不名誉な新語を造ってしまったッ!!という記事をお届けしたのですが、その時は、映画が日本公開前で、ネタバレになるといけないので、どういう新語か?!まではお伝えしませんでした。しかし、10歳のチビッコ映画評論家、ドリュー・ホルター君が、その新語をネタに発表してくれた、 ↑ 上のアホくさい映画ランキングの動画がおもしろかったので、あらためて、その新語とアホくさい映画ランキングを紹介したいと思うのですが…、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」も、すでに公開から約1ヶ月半が過ぎ、上映を終了する映画館も増えてきたので、いいですよね?!、でも、もし、ネタバレはイヤッ!!という方がいたら、以下は読まないで下さい。

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まず、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」が造ってしまった新語とは、ドリュー君のビデオのタイトルにもなっている…
“Nuke The Fridge”=“核は冷蔵庫” です。
これは「インディ・ジョーンズ4」を観た方なら、すぐに、ハハァ~ンと来ますが、冒頭の見せ場として、原爆の爆発を冷蔵庫に避難する機転で、インディ・ジョーンズが危機を脱出する場面があり、そこから由来して造られた言葉です。
意味合い的には、あまりにもくだらないこと、バカバカしい物事などを指し示すます。インディ・ジョーンズが逃げ込んだ冷蔵庫が、いかに鉛製だったとは言え、核爆弾に直撃されて、生身の人間が助かる訳がないだろがッ!!と言うことですよね。「インディ・ジョーンズ4」は、この“Nuke The Fridge”=“核は冷蔵庫”の場面で終わった…というのが、現在の一般的な評価となっています。「核爆弾の直撃を食らっても死なない、マンガみたいな主人公が、その後、どんな危険に遭っても、死ぬわけないんだろ!!」ということで、この“Nuke The Fridge”=“核は冷蔵庫”以後をバカバカしくて観る気がしなくなった…として、、多くの観客が怒りだしたのが、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」がサイテー映画として、スクリーンにポップコーンを投げつけられた理由です。 ↑ 上の“Nuke The Fridge”と題したドリュー・ホルター君のアホくさい映画ランキングでも、同様の理由で、当然、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」が、アホな映画第1位にあげられています。
そんな、映画だけでなく、日常生活の場面でも、くだらないことに出くわした時に使える、便利な英語の新俗語“Nuke The Fridge”=“核は冷蔵庫”ですが、実は同様の俗語 “Jump the Shark”=“サメを飛び越えろ”が以前からあり、“Nuke The Fridge”は、それを現代版として更新したものです。元祖のくだらないことを指す言葉“Jump the Shark”=“サメを飛び越えろ”は、「ダ・ヴィンチ・コード」(2006年)のロン・ハワード監督が若い頃、アイドルとして出演してたことで知られるドラマ「ハッピーデイズ」から来た言葉です。ドラマの中の水上スキーの場面で、登場人物が巨大なサメの襲撃を受けますが、水上スキーでサメを飛び越えて、ハイ、無事でしたッ!!という、何のひねりもない、くだらないオチのサスペンス場面をバカにして、“Jump the Shark”=“サメを飛び越えろ”という言葉が出来てしまったものです。そんなノーテンキなドラマ「ハッピーデイズ」の放送終了は1984年ですから、24年ぶりの約4分の1世紀を経て、ようやく、「インディ・ジョーンズ4」が、くだらない映画・ドラマの代表的立場を入れ替わってくれたことで、「ハッピーデイズ」はやっと、不名誉な呪縛から解放されることになりました。
さらに、“Nuke The Fridge”=“核は冷蔵庫”について、じゃ、そんなくだらないことを誰が考えたのか?!を記しておくと、このサイテーのアイディアを思いついたのは、「インディ・ジョーンズ4」のシナリオを実際に書いた、「ショーシャンクの空に」(1994年)のフランク・ダラボン監督です。フランク・ダラボン監督は、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」の脚本を、ジョージ・ルーカスから依頼され書き上げましたが、表向きは没とされ、脚本を盗まれてしまいました!!、そのため、フランク・ダラボン監督は、ジョージ・ルーカスとスピルバーグに対し、メディアを通じて、脚本料の支払いと、自分を「インディ・ジョーンズ4」の正当な脚本家として認め、クレジットに名前を載せることを激しく要求していましたが、「インディ・ジョーンズ4」が今や、世紀の愚作とツバを吐きかけられてるだけに、脚本を書いたのは自分だッ!!と、訴訟覚悟で名乗り出たことを後悔しているかもしれませんね。
さてさて、ホントに前置きが長くなりましたが、10歳のチビッコ映画評論家、ドリュー・ホルター君のアホくさい映画ランキングの紹介を進めましょう。
アホな映画の第2位として、ドリュー・ホルター君は「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」(1999年)をあげ、その理由として、あのバカバカしいキャラクター、ジャー・ジャー・ビンクスを指摘し、登場させた製作・監督のジョージ・ルーカスに、「アンタ、気は確かかッ?」と言いたいようですが、第1位の「インディ・ジョーンズ4」も、ジョージ・ルーカス製作ですから、あまり気は確かじゃなさそうです…。先日、ココでお伝えしたように、ジョージ・ルーカスは懲りずに「インディ・ジョーンズ5」を作る気ですが、もはや、まともな「インディ・ジョーンズ」ファンは、絶対にあり得ないプロデューサーの交代だけを望んでいます…。
第3位には、バットマン最新作「ダークナイト」(8月9日公開)に、歴代オープニング興行トップの座を奪われた「スパイダーマン3」(2007年)があげられています。ドリュー少年は、ヴェノムにとり憑かれダークサイドにはまったトビー・マグワイアが、似合わないのにワルぶって、ダンスなどする場面をくだらないとしていますが、「スパイダーマン3」は、本当に人気のない映画で、コアな「スパイダーマン」のファンからは、監督のサム・ライミは絶対に原作コミックを読んでいない!!、又は、読んでいても、理解するだけのアタマとセンスがない!!などと指摘されています。なので、すでに「スパイダーマン」ではなく、お金にしか興味のないことが明らかなサム・ライミは、「スパイダーマン」を撮ってほしくない映画監督の筆頭にあげられていますが、そのサム・ライミに「スパイダーマン4」を撮らせようとしているソニー・ピクチャーズは、なぜ、ファンの声を聞かないの?!、…ということを、ドリュー少年は言いたいのかもしれません。
第4位には、クリストファー・リーヴ主演の1978年製作の「スーパーマン」シリーズの第1弾が登場です。クライマックスで、死んだ恋人のロイス・レインを生き返らせるために、地球の自転を逆転させることで、時間を巻き戻してみせたスーパーマンに対し、10歳の少年は…
「自分、そんなんデキるんやったら、映画の始めまで時間を戻して、悪者を先に捕まえたら、えぇんちゃうん?!」
…とツッコんでいます。そうしたら、ロイス・レイン以外の被害者も助かりますしね。子どもの視点からの「スーパーマンは自分の好きな人さえ助かればいい利己主義者だったの?!」という、ごもっともな指摘に反論できません…。
最後の第5位は、ジョン・トラボルタとカースティ・アレイが夫婦だった「ベイビー・トーク」シリーズの第3弾「ベイビー・トーク3/ワンダフル・ファミリー」(1993年)です。赤ちゃんの視点から、ホーム・コメディを描いた、このシリーズは、ブルース・ウィリスがミスマッチに吹き替えた主人公?の赤ちゃんの声とセリフが大いにウケて、ヒットした訳ですが、第3弾では、同じことのくり返しでは飽きられると思ったのか?!、製作者らは、視点をペットに置き変え、犬たちに人間の声で話させてしまいました!!、そのアホくさい趣向に、「それは飛躍しすぎやん!!、犬までしゃべらせたらアカンやろ?!、自分ら大人やのに、まともに考えられへんの?!」的な辛らつさで、10歳の子どもは製作者らを小バカにしています…。
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最後におまけとして、ドリュー少年は、自分の10歳のお誕生日パーティーに、何を思ったのか?!、女装して現われたおじさんにドンびきした経験を語り、あいつも“核は冷蔵庫”野朗だと述べていますが…、ま、恐らく、このマニアックに的を得たアホくさい映画ランキングの動画は大人がシナリオを考えて、作ったのでは?!と思います。それを子どもに読み上げさせることで、標的にしている映画と、その製作者らをより小バカにしてやりたかったのでしょう。映画の評価は人それぞれですし、とりあえず、“Nuke The Fridge”=“核は冷蔵庫”という言葉を、今後、映画やドラマの英語の解説で見聞きなどされましたら、相当にくだらない作品として、解説者は怒ってるんだなぁ…ということだけ、知っておいてもらえればと思います。