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9月に開催のカナダのトロント国際映画祭で上映される予定が注目されている、ドイツのファンタジー映画「クラバート」の予告編です。本作は、新作「崖の上のポニョ」が公開中の宮崎駿監督が「千と千尋の神隠し」(2001年)を創作するにあたり、その下敷きにしたと言われている、ドイツの児童文学作家、オトフリート プロイスラーの同名の代表作を実写映画化したものです。なぜ、あえて“実写”映画化と書いたかと言うと、ファンの方はご存知のように、この原作を、チェコの有名なアニメ作家、カレル・ゼマンがアニメ化した同名の傑作(1977年)がすでにあるから。そんな知る人ぞ知る人気の「クラバート」は、孤児でさすらいの少年クラバートがたどり着き、住み込みで働くことになった水車小屋の親方が、ナンと魔法使いで、一緒に働く11人の仲間は魔法使いの修行中!!、期せずして、クラバートは魔法塾の生徒になってしまった!!という物語です。と、あらすじを書けば、「ハリー・ポッター」みたいで楽しそう!!となるのですが、本作は、その原作からして、恐怖政治で国民を使役に追い込んでいる国家弾圧の暗示といった批評が一般的とされているように、児童文学とは言え、ダークなトーンのある物語です。予告編を観ると、そういった原作のテーマをうまく利用し、現在、流行のダーク・ファンタジーとして強調し、描いているような感じです。クラバートが崖から飛び出し、カラスに変身して飛び出すカットなど、不思議なリアル感の映像が、映画への期待を高めてくれています。主演のクラバートを演じている少年は、前にココのケイト・ウィンスレットの最新作「朗読者」(海外今年末公開)で紹介した、ドイツの若手スター、デヴィッド・クロスです。彼は、このファンタジー映画の本作や、「朗読者」で、今後、国際的なスターに育つ可能性がありますね!!、本作は、ドイツで今年10月9日から公開。監督は、ケヴィン・クライン主演の人身売買の映画「トレード」(2007年)で、すでに国際的に活躍しているドイツ人のマルコ・クロイツパイントナーです。DVDスルーでも、何でもいいので、とにかく、日本でも公開してほしい作品です。どうせなら、スタジオ・ジブリのレーベルから出してくれないかなぁ…?!、続きを読むの後に、参考として、カレル・ゼマンのアニメ版の動画をあげておくので、興味のある方はご覧下さい。
★アニメ版「クラバート」はこちら →