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戦争映画のメイキング・ドキュメンタリーと言われて、映画ファンがすぐに思い出すのは、フランシス・フォード・コッポラ監督の衝撃作「地獄の黙示録」(1979年)の伝説的な製作過程を追った、← 左のポスターの「ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録」(1991年)のはず。とくれば、↑ 上の予告編の「レイン・オブ・マッドネス」は、その題名からして、「ハード・オブ・ダークネス」のパクリであるのは一目瞭然。↓ 下のポスターもオリジナルにソックリのイメージで仕上げてあります。で、肝心のドキュメンタリーのエサにされてる戦争映画は?!と言えば、これが、ベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニー・Jr のレッツゴー三匹トリオ?による「トロピック・サンダー」!!、おいおい、それはコメディじゃないか?!とツッコまれそうですが、「ハイ、コメディなんで、メイキングもちゃんとパロディにしますた!!」ということですよね。なので、「レイン・オブ・マッドネス」は、正確にはドキュメンタリーではなく、モッキュメンタリー(やらせの嘘ドキュメンタリー)と呼ぶべきかもしれません。けれど、この「トロピック・サンダー」(アメリカ8月15日公開)は、映画の製作費を使い果たした監督が、本当の戦場で映画の続きを撮ろうと狂ってるストーリーな辺りは、確かに「地獄の黙示録」製作当時、湯水のごとく予算を使い、リアリティを出すのに死体役の死体を買って来い!!、フィリピンなら死体ぐらい売ってるだろ!!と、メチャクチャなことを言って、半狂乱だったコッポラをそれとなく彷彿とさせています。けれど、元ネタの「地獄の黙示録」は来年で30周年になる古い映画だし、この「レイン・オブ・マッドネス」が、「ハート・オブ・ダークネス」のパロディだなんて、一般にはすぐ気づいてもらえないかもしれませんね。この「レイン・オブ・マッドネス」は、「トロピック・サンダー」のバイラル・マーケティング用にリリースされた宣材で、実際の記録映画としてはたぶん存在せず、DVDの特典映像のメイキング・ビデオのことかな?!と言われています。それにしても、「地獄の黙示録」は、マーロン・ブランドの狂ったカーツ大佐を、コッポラが希望したオリジナル・キャストのスティーブ・マックイーンで観たかったです!!、また、「地獄の黙示録」は初公開当時、同時に公開してる近所の映画館同士で、フィルムのサイズが35ミリか、70ミリかの違いでエンディングが違ってたという、普通ならあり得ない封切り方をしてたというのも異常です。たかが映画の存在が、まだ社会問題にまで成りえた時代の逸話ですね…。そんな“生きる伝説”コッポラ監督の最新作はティム・ロスが若返っていく不思議な主人公を演じたファンタジックなドラマ「コッポラの胡蝶の夢」、8月30日日本公開です。