来年のカンヌ映画祭で上映決定とクエンティン・タランティーノ監督が公約している最新作の第二次大戦の戦争巨編の2部作「イングローリアス・バスタード」の脚本を、そのタランティーノ監督本人が、アメリカでは昨日となる7日に、ワーナー・ブラザース、ユニバーサル、パラマウントの3社にセールスに持ち込み、そして今日となる8日にはソニー・ピクチャーズでプレゼンを行うと、ハリウッドの有名なジャーナリストのニッキ・フィンケが自分のブログの中でレポートしています。もし、彼女の取材の内容が正確であるならば、いま現在、製作資金のメドが立っていない映画を、タランティーノはどうして、来年の5月までに完成できる(しかも前後編2本!!)と豪語し続けるのか?!は、さらに大きな疑問の輪が広がります。また、タランティーノの映画と言えば、これまでザ・ワインスタイン・カンパニー系で独占的に出資・製作されるものと相場が決まっていたことから、ニッキ・フィンケは、今回のメジャー・スタジオに出資を依頼するタランティーノの営業行動の背景には、ザ・ワインスタイン・カンパニーが抱える財政問題や、前作「グラインド・ハウス」(2007年)が大コケしたことで、ザ・ワインスタイン・カンパニーの投資家らが、もはやタランティーノを敬遠しているといったようなことを指摘しています。「グラインド・ハウス」は確かにおもしろい作品で、日本の一部のメディアが大ハシャギしてたのもわかりますが、日米ともに一般にはまるでウケていません…。そのタランティーノが、また自分のノリだけで、犯罪者の米軍脱走兵らがナチと米軍の双方と闘いながら、戦火を逃げのびる…というだけの「イングローリアス・バスタード」を、延々と2本の映画に跨ぐ前後編の巨編とし、マイケル・マドセンらといったアクの強い、タランティーノ映画でおなじみのマイナーな俳優らを起用して仕上げようというプランに、一体、果たして、ハリウッドのメジャー・スタジオがどこまで理解を示してくれるものか?!、タランティーノは相当な妥協を強いられることになりそうです。また、タランティーノ監督については、いつ作るつもりなのか?!、まるでわからない、もう一本の監督予定作品である「ファスター・プッシーキャット キル!キル!」(1965年のラス・メイヤー監督作をリメイク※ココに記事)に、ポルノ女優のテラ・パトリック(写真左)が主演するという、ネット上のどーでもいい、このブログでさえ無視していたウワサを、映画メディアの最高権威である「バラエティ」がわざわざ裏をとりに、テラ・パトリックを取材するという失態をしでかし、彼女自身に出演の意志があるという、それだけがわかっても意味のないことを確認しました。もちろん、「バラエティ」が取材すべき相手は、タランティーノ監督本人なので、「バラエティ」の記者は単にポルノ女優に会いに行ったと小バカにされるのも仕方ありません…。さて、タランティーノ監督は、来年のカンヌ映画祭で何を観せてくれるのか?!、期待しておきましょう!!