ジョン・キューザックと渡辺謙さん、チョウ・ユンファ、コン・リーが主演するハリウッド映画「上海」が、今年2月に上海で撮影開始直前、中国国家広播電影電視総局により、中国国内での撮影が禁止されたというニュースを、ココでお伝えしましたが、中国当局が、脚本の修正と中国版タイトルに「上海」という地名を使わないことを条件に、同映画の中国での撮影禁止を取り消し、晴れて「上海」の撮影隊は、上海に戻れることになりそうです。映画「上海」は、2007年秋から、上海で撮影準備に入り、セットなどもすでに組まれていましたが、映画の内容に、アヘンを吸う場面と、売春の場面が多すぎるため、国家の威信を損なうと、突然、中国側がそれまでの協力姿勢から態度を一変させ、国外に追い出してしまったものです。その後、同映画を製作するワインスタイン・カンパニーは、300万ドルの追加予算を投じ、タイとロンドンにセットを作り直して、4月から撮影を始めていましたが、やはり、タイとロンドンでは無理があり、どうしても中国で撮影をするしかないため、中国側の窓口となるチャイナ・フィルムを通じ、国家広播電影電視総局と交渉を続けていたのが、この度、実ったようです。映画「上海」は、第二次大戦前夜の上海を舞台に、親友の死の謎を突き止めるため、同地にやって来たアメリカ人ジャーナリストのジョン・キューザックに、ヤクザの親分のチョウ・ユンファ、日本軍将校の渡辺謙さんがからむ物語で、気がつけば、いつの間にか、↑ 上の写真のように、「バベル」(2006年)の菊池凛子ちゃんまで主要キャストに入っています。監督は、2月に「中国人の裏切りを、俺は絶対に許さない」と暴言を吐いていた、「すべてはその朝始まった」(2005年)のミカエル・ハフストロームです。当初の予定では、今年末にアメリカで封切りですが、また撮影隊がお引越しすることを考えると、その日程での公開はたぶん無理ではないでしょうか。何はともあれ、「硫黄島からの手紙」(2006年)で、ハリウッドに戦争映画復刻ブームを起こした渡辺謙さんの作品だけに、ブームの火つけ役に恥じない映画になればよいなと思います。