先週末の初公開で興行成績が第3位だった、リヴ・タイラー主演のホラー映画「ストレンジャーズ」のプロデューサー、ダグ・デヴィソンが、彼の映画会社ヴァーティゴ・フィルムズがリメイクを企画しているハリウッド版「デスノート」の脚本を、ヴラスとチャールスのパーラパニデス兄弟に依頼し、執筆作業が始まっていることが、「ストレンジャーズ」の資料を通してわかりました。兄弟の兄ヴラスは2000年のインディーズのロマンス・コメディ映画「エヴリシング・フォー・ア・リーズン」で、脚本・監督デビューしていますが、以後の実績はない無名の人で、「デスノート」のリメイクにふさわしいか?、どうかの判断は今のところ、つきません。同様に、弟のチャールスも、映画製作の雑用やチョイ役の俳優をしてただけの人で、これまでに採用された映画の脚本を書いたことはありません。兄弟は現在、「アンダーカバー」というテレビ・シリーズを売り込むべく、パイロット版の製作に取り掛かっているようですが、実質的に彼らは10年近い映画界でのキャリアで、何も残せていない人たちであり、とりあえず、「デスノート」は、その人たちに任されていることになります。ハリウッド版「デスノート」を製作するヴァーティゴ・フィルムズは、アジア映画のリメイク権のビジネスを展開している会社で、過去の「ザ・リング」シリーズや、「THE JUON/呪怨」シリーズなど、また最近では、韓国映画「猟奇的な彼女」の大失敗で劇場公開が見送られたリメイクといった、ほとんどのアジア映画のリメイク製作に関わっています。しかしながら、そのようにヴァーティゴ・フィルムズがタッチしながら、リメイク映画の出来の差が激しく玉石混合となりがちなのは、リメイク権の売買が主の同社の関与より、実際にリメイク映画を製作するスタジオやプロダクションがどこになるか?、監督が誰であるか?により左右されたからであり、現時点では、ハリウッド版「デスノート」の完成度の予測はつきません。また、先の兄弟に依頼している脚本も、本当に撮影に使う映画用の脚本なのか?、ヴァーティゴ・フィルムズがメジャー・スタジオなどに企画を売り込むために、英語版の脚本を必要とし、翻訳作業に近いことをしている可能性も考えられそうです。いずれにしろ、現在の情報から言えるのは、ハリウッド版「デスノート」のリメイクが実際に動き出したことだけであり、しばらくは今後の展開を見守るしかなさそうです。また、何か、動きがあれば、お伝えしますが、後に何も残らないジャパニーズ・ホラーのリメイクはハリウッド映画史の汚点といった論調のコラムや、ハリウッド進出した日本人監督がいかに無能かといった評論が最近、チラホラ見受けられたことから、「デスノート」のリメイクの先行きは少し厳しいかもしれません。ハリウッドでこそ、ワーナー・ブラザースが作ってくれればいいんですけどね…。