「大いなる陰謀」(2007年)がコケたうえに、最新作「ワルキューレ」がオクラ入りのようになっている絶不調のトム・クルーズが、「今そこにある危機」(1994年)のフィリップ・ノイスが監督する「The 28th Amendment」(憲法修正第28条)への出演契約にサインをし、デンゼル・ワシントンとの初共演が実現することで注目を集めそうです。現実のアメリカ合衆国憲法には、修正第27条までしかないので、アメリカ人には「修正第28条」って何だろう?と思わせるミステリアスなタイトルの本作は、トム・クルーズ演じる大統領が、アメリカ政府は実はデンゼル・ワシントン率いる影の組織に支配されていることを知り、どうにか実権を取り戻そうとするポリティカル・スリラーとのことです。作品選びにあまり失敗しないデンゼル・ワシントンのことですから、シナリオはたぶん充分に練られたものと思われますが、トム・クルーズの正義感あふれる大統領というのは、今さらちょっとハナにつく感じでウザいのでは?、と心配されています。そのデンゼル・ワシントンは現在、1974年に名優ウォルター・マッソーが主演した傑作サスペンス「サブウェイ・パニック」のリメイク「The Taking of Pelham 123」(アメリカ2009年7月公開)を、「デジャヴ」(2006年)でコンビを組んだトニー・スコット監督のもと、ジョン・トラボルタ共演で撮影中です(写真右は同映画の撮影スナップ)。地下鉄をジャックし、乗客を人質に身代金を要求するジョン・トラボルタと、デンゼル・ワシントンの警部が対決するようです。トム・クルーズは、善人役も悪人役も器用にこなすデンゼル・ワシントンを見習い、「The 28th Amendment」(憲法修正第28条)では役を入れ替え、秘密結社を演ったほうがウケると思うんですけどね、新興宗教「サイエントロジー」の影の教祖と不気味がられているだけに…。