映画ブログなのに、直接的な映画の記事じゃなくて恐縮ですが、先日、ココとココでお伝えした、シークレット・アイドル ハンナ・モンタナことマイリー・サイラスの、雑誌「ヴァニティフェア」のグラビアのトップレス写真スキャンダルから飛び火したトピックです。上の写真は、中国・北京の繁華街、新街口南大街で見られるディズニー・ブランドの女子の下着の広告看板です。これを撮影したのは、slateという情報サイトに寄稿しているダニエル・ブルックという人です。冒頭のトップレス写真スキャンダルについて、マイリー・サイラスとディズニーが、責任を「ヴァニティフェア」になすりつけるかのようなコメントを出したことは、ココでもすでに紹介しました。その際、「ヴァニティフェアは雑誌を売りたいがため、15歳の少女を利用した」といった主旨のコメントを出したのはディズニーの広報、パティ・マクティーグですが、上の看板と彼女のコメントに食い違いを感じたダニエル・ブルックは写真と共に、「ディズニーも同様に自社の製品を売るために、少女を利用してるのでは?」という疑問をぶつけてみた訳です。
パティ・マクティーグの反応は、会社として担当部署が違うのは仕方ないですが、自ら回答せず、ディズニー・ライセンスの商品の広報、ゲイリー・フォスターに委ねてしまうことでした。報せを受けたゲイリー・フォスターの行動は素早く、即座に看板を撤去するため、中国に向う途中、「ディズニーは↑写真を見せられ、大変なショックを受けました」と、ダニエル・ブルックに電話を入れています。その電話で、ゲイリー・フォスターは、看板の商品は偽ブランド品ではなく、ディズニーが正式にライセンスを発行した、上海贞鑫制衣有限公司の製品と思われることや、看板がディズニーに無許可で公表されているなどの状況を説明し、あわせて、ディズニーはライセンス契約の際、製品や広告の事前審査を義務づけているものの、全世界で膨大な数の契約社(者)や製品を完璧に管理するのは無理なことや、世界の各地域ごとに文化が異なるため、このような事態が起きると、ディズニーの苦悩らしきことを語っています。結局、広報の担当が変わり、問題の焦点がずれたことで、マイリー・サイラスと「ヴァニティフェア」のスキャンダルから派生した「ディズニーも子どもを利用していないのか?!」という興味深い疑問に答えは出ていません。また、ダニエル・ブルック氏の指摘も、それ自体がアメリカでの問題を中国にすり替えてしまった感もあります。思わぬところから、とばっちりを食った中国の人は、上の広告を児童ポルノに相当するとは思わなかったから、堂々と繁華街に掲げていたはずです。同じように「ヴァニティフェア」の写真も、児童ポルノのように世間で冷遇されるとは思わなかったから、撮影現場にいたディズニーのスタッフも誰も止めなかっただけなのでは?、いったい、基準はどこにあるのでしょう…??、もしかして言ったもん勝ち?!