2004年のアメリカ映画「マーダーセット・ピーセス」(Murder Set Pieces)のDVDが、イギリスで発売禁止になりました。この処分は、ブラウン首相が国会で、残酷なホラー映画やゲームが社会に与える悪影響への懸念を表明したことを受け、日本の映倫にあたる、イギリスの全英映像等級審査機構(British Board of Film Classification)が行なったものです。どうして、「マーダーセット・ピーセス」が見せしめの対象にされたかはわかりませんが、このインディーズ映画は、その残酷すぎる描写から、米国映画業協会のレーティング審査を通せば、映画館で上映できないことがわかりきっていたため、無謀にも無審査で公開したという、いわくの作品です。アメリカ国内で過去25年間にレーティング無しで一般公開されたのは、この「マーダーセット・ピーセス」だけです。本作は、主人公のイカれたフォトグラファーが…(続きを読むをクリックで目をそむける予告編)
「俺、写真家なんだぁ~、写真、撮ってあげるよぉ~」などと、次々と獲物の女性を探しては、変態レイプで犯しまくった挙げ句、拷問惨殺し、その様子を写真に撮ってはよろこぶという、確かにとんでもない内容です。しかし、本作ならずとも、この手の映画を発禁処分で店頭から取り除いたところで、今時、ネット通販で買えばいいだけのことなので、あまり意味はないと思うのですが。ちなみに中国もホラーやポルノなどの締め出しに動きだしています。中国が規制を強化する理由は、北京オリンピックに向けて、国内環境を整備し、美化につとめるだそうです。映画関係者には、はた迷惑な理屈ですね。だったら、映画の規制は北京でだけ行なうのでしょうか?、日本でも同様のくだらない議論を、国会で血税を使って、大の大人が行なわないことを願います。「マーダーセット・ピーセス」の監督は、4歳の時、「オズの魔法使い」(1939年)を観て以来、映画のとりこになったという、1970年生まれのニック・パランボです。作る映画はキモいが、ふだんはやさしいナイスガイだそうです。ところで、これ、日本ではDVD出てないですよね…?