動画は、1983年に21歳のトム・クルーズが主演した「卒業白書」の一場面です。ダンスは、トム・クルーズが即興で自分で振り付けたものです。と言うか、ま、勝手に踊り狂ってるだけですが。トム・クルーズの出世作はご存知「トップガン」(1986年)ですが、最初に注目された主演作は、この「卒業白書」です。両親が留守中の自宅を売春宿にして、ひと儲けする高校生の物語で、少年と年上の女性との淡い恋を描いた青春映画の名作です。この時点からすでに、トム・クルーズは視線を集めるカリスマ性と、類まれな演技力で、ライバル俳優らに先んじる感がありました。この映画の主役も、トム・ハンクス、ニコラス・ケイジに競り勝ち、奪っています。そんなアメリカ映画を代表するスターを期待されたトム・クルーズは、失読症という障害を克服し、娯楽路線と芸術路線の映画に器用に交互に出演し、素晴らしい演技をたくさん観せてくれました。なのに一体、何が彼を狂わせるのか??、結婚をオモチャとしか見ない女性蔑視の態度や、宗教がらみの奇行などで、彼の輝かしいキャリアは台無しです。「JUNO」で大ヒットを飛ばしたジェイソン・ライトマン監督は、「サンキュー・スモーキング」(2006年)で、トム・クルーズの今のお人形、ケイティ・ホームズに、愛のないSEXで仕事をモノにする最低女を演じさせました。それはあたかも、トムキャットなどと囃される夫婦への痛烈な皮肉のようです。今となっては、この「卒業白書」の場面は、人気テレビ番組「オプラ・ウィンフリー・ショー」の中で、トム・クルーズがケイティ・ホームズの名前を叫びながら、ソファで飛び跳ねていた姿の原点のように重なって、見えてしまいます…。
