2007年、最後に一番愛された映画はコレ!、「JUNO」!!

4db9ee74.jpg2007年に1番、お金を儲けた映画は「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」か「スパイダーマン3」で、1番良くできた映画は、たぶんコーエン兄弟監督の「ノーカントリー」、だったら1番、愛された映画は?、となれば、それは間違いなくJUNO」だ!!と、アメリカでは言われているそうです。
JUNO」=ジュノは、主人公のちょっと風変わりな女の子の名前です。この映画は、その16歳のジュノが恋人とは言えないけれど、いい奴なクラスメイトの男の子ポーリーと、試しにセックスしたら妊娠しちゃったよ!!というお話です。でも、10代のセックスや妊娠倫理を問おうとか、説教的な物語でなく、ジュノの妊娠と出産を通し、周囲の人たちが変化していく様子や、ジュノが少女から大人へと心で成長する姿が軽やかに描かれた青春映画の傑作コメディです。最近、歌手のブリトニー・スピアーズ妹の女優ジェイミー・リン・スピアーズ16歳で妊娠し、大騒ぎになりましたが、それは映画「JUNO」に影響された「JUNO」現象じゃないか?なんて言ってるメディアもあるようです。
じゃ、そんな「JUNO」って、どんな映画なんでしょう??
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まずは百聞は一見にしかずで、「JUNO」の予告編をご覧ください。


この、とても可愛い雰囲気の映画「JUNO」の脚本を書いたのは、本作がデビューのディアブロ・コーディーという29歳の女性です。監督をつとめたのは、デビュー作サンキュー・スモーキング」(2006年)がスマッシュヒットとなった30歳ジェイソン・ライトマンです。ライトマン監督は「JUNO」の脚本を読むなり、手がけていた企画を中断し、「JUNO」に飛びついたそうです。
あらすじで解るように、この脚本がまず優れていたのは、思春期に心を揺らし、胸にアレコレ溜め込むのを、思い切って妊娠の設定を持ち出し、胸じゃなく、お腹がふくらんで抱え込むという、映画の視覚的な表現の物語に置き換えたアイディアだと思います。そこから魅力的なジュノという女の子像が作られていった訳ですが、そこにはジュノを演じた主演のエレン・ペイジの個性が大きく関わっているはずだと想像できます。
20歳エレン・ペイジ10歳で子役デビューし、12歳で、付き人の母親に「私ひとりでやってけるから、もう付いてこなくていいわよ」と言って自立した、生意気と言うか、変に早熟不思議な人です。そんな彼女の出演作で有名なのは「X-メン3:ファイナル ディシジョン」(2006年)なのですが、彼女はそんな大作シリーズへの抜擢をアッサリ断っています。それで、彼女を見込んだ監督のブレット・ラトナー直々に説得し、出てもらったという逸話になっています。その一方で、ロリータ系サイコ・キラーというスゴイ役の「ハード・キャンディ(←必見)」(2005年)のような映画にホイホイと出演し、息を呑む表現力で、変態ロリコン男を罠にかけ残酷に痛ぶり、スケベ野郎からは睾丸摘出した方が世のためだ!!みたいなスゴイ展開を演じました。が、それらより、エレン・ペイジの雰囲気に一番あっているジュノが、彼女にとって最初の当たり役だと思います。人と違うことが好きで、どこか生意気な風もあるんだけど憎めないという魅力は、エレン・ペイジ自身の素の個性のように感じられます。すでにゴールデン・グローブの主演女優賞にノミネートされているのですが、2008年アカデミー主演女優賞の本命になってもおかしくないでしょう。
そんなエレン・ペイジを妊娠させる役だったマイケル・セラも、才能と行動力が豊かな19歳です。彼は、日本未公開のコメディ映画「SuperBad」(2007年)で注目のコメディ系俳優です。恐らく彼が、インターネットのYoutubeなどで自作のコント映像をリリースするセルフ・プロモーションでデビューを果した最初の世代の代表だと思います。現在も映画やテレビに出演しつつ、彼は大手ネットワークのCBSと契約しているプロデューサーとして、相棒のクラーク・デュークと共に、インターネットテレビで、自分たちのオリジナル番組の製作・台本構成・演出・出演をすべてをこなしています。その番組はココで見られます。
その他の大人の出演者たちとしては、「スパイダーマン」シリーズのイジワルな編集長J・K・シモンズと、テレビシリーズ「ザ・ホワイトハウス」の報道官CJ・クレッグ役のアリソン・ジャニーが、ジュノの両親を演じており、ジュノの赤ちゃんの里親候補を「キングダム/見えざる敵」(2007年)でも共演していたジェイソン・ベイトマンジェニファー・ガーナーが演じています。ジェニファー・ガーナーは、テレビシリーズ「エイリアス」で有名な女優ですね。
さて、再び監督のジェイソン・ライトマンですが、彼は「ゴーストバスターズ」(1984年)などの大ヒット映画で知られるアイヴァン・ライトマン監督の息子です。生後11日めで、ジョン・ベルーシなどが出演したジョン・ランディス監督のコメディ映画のカルト・クラシックアニマル・ハウス」(1978年)に引っ張り出されたという、とんでもない人生の始まりを迎えてしまった人です。その後も「ツインズ」(1988年)など、お父さんの映画に子役で出演しましたが、最近のインタビューで「演技はまるでダメ、小学校の学芸会でも大根だった」と苦笑しています。
彼のデビュー作「サンキュー・スモーキング」はタバコ業界のPRマンが主人公でした。映画の中でタバコの健康被害の是非が問われるのですが、主人公は、そんな解りきった決定論を闘わせるより、ひとりひとりが考えて、自分なりの価値を決めればいいのでは?と切り返します。それは新人監督が初めての映画で、まず伝えたかった自分のポリシーなのでは?と思います。「Juno」という映画が多くの人に愛されたのは、そんなポリシーが個性的な俳優や脚本家とのアンサンブルで発展し、複数の魅力的なキャラクターが創られ、観客がそれぞれに自分の中の「Juno」を見いだせるような物語にできたからではないか?と考えます。「JUNO」は2008年夏に日本公開予定です。
おまけの動画は、エレン・ペイジとマイケル・セラが歌う「Anyone Else But You」です。チラッと出てくるハンバーガーの電話は、脚本のディアブロ・コーディーの私物だそうです。ハイテクなケータイの時代に、オモチャみたいな有線電話が妙にハッとしますよね。
Anyone Else But You」という曲はモルディ・ピーチズカバーです。アダム・グリーンキミヤ・ドーソンがボーカルのユニットだそうですが、インディーズで活動してるので、あまり知られていません。僕も「Juno」について調べていって、初めて知りました。「JUNO」で、この「Anyone Else But You」が歌われ、映画を観たカップルや友だち同士が「JUNO」ゴッコで、この曲を歌ったりして、モルディ・ピーチズの人気も少しづつ高まってらしいです。優れた映画とはこのように、映画から、さらに次の世界へと広がるものを提示してくれる作品だと思います。「Juno」には、そういうセンスのいいものが溢れてる気がします。
モルディ・ピーチズはソロでも活動してるのですが、女性ボーカルのキミヤ・ドーソンはいきなり素晴らしいシンガーだと思います。ジュノはモルディ・ピーチズとキミヤ・ドーソンのファンという設定なのですが、それはエレン・ペイジが自分の役作りのために提案したことです。キミヤ・ドーソンの歌を聞けば、ジュノも、エレン・ペイジも、何となくどんな人か想像できるかもしれないので、キミヤ・ドーソンの「Lullaby for the Taken」のPVもつけておきます。
では、Anyone Else But You、誰でもなく、あなた…、という素敵な歌で、ゆく年くる年をお過ごしください。


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